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SONY“謎のカードリッジ”特許の出願が判明 PS Vita後継機を開発中か?

11/29(木) 8:09配信

リアルサウンド

 ゲーム部門の好調により2017年度決算では大幅な増収増益を記録したSonyが、水面下でゲーム部門のさらなるテコ入れを図っていると推測される証拠が見つかった。その証拠からは、生産終了が発表されたあのゲーム機を継承する同社の意思が読み取れる。

用途不明な特許

 テック系メディア『The Verge』は27日、Sonyが何らかのゲーム機に挿入すると思われるカードリッジの特許を出願していたことを報じた。その特許は昨年に韓国の関係省庁に出願されたもので、今月になり韓国の特許情報を報じている団体である韓国知的財産権情報サービスがその存在を公表した。

 この特許に関しては、画像に描かれたデザイン以外は詳細は不明である。デザイン以外でわかっていることは金属と合成樹脂で製造されることだけである。この謎多きデバイスに関して、同メディアはPS Vitaの後継機に使われるものではないか、と推測している。もっとも、Sonyのような巨大なテック系企業となると、日の目を見ない特許を毎年何十と出願していることも指摘している。件の特許が、実際にリリースされる製品に採用されるとは限らないのだ。

 テック系メディア『The Next Web』も、28日、謎のカードリッジを報じており、The Vergeと同様にPS Vita後継機関連説を支持している。さらに同メディアは、PS Vita後継機はPlayStation 5とリンクするのではないか、という見解を述べている。もし実際にこの見解が実現したら、SonyはNintendo Switchの強力なライバル機を手にすることになるかもしれない。

ソニーは携帯型ゲーム機を見捨てない?

 PS Vitaに関しては、今年に入り様々なニュースが報じられている。ゲームメディア『KOTAKU』は、5月、アメリカとヨーロッパにおいて同ゲーム機の生産を2018年度の終わりに終了する、と報じた。さらにゲームメディア『GEMATSU』によれば、9月、東京ゲームショーにおいてソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)シニアバイスプレジデントと日本ビジネスオペレーション部門の部門長を兼ねる織田博之氏が日本においても同ゲーム機を2019年には生産を終了するとコメントした。

 同ゲーム機の動向について、昨年6月にTIME誌のインタビューに答えたSonyグローバル・ゲーム開発部門を率いるShawn Layden氏はもはや懸案事項として扱うのは難しいと述べ、同ゲーム機の後継機に関して消極的な姿勢を示していた。しかし、ブルームバーグは、今年5月、SIEの社長兼CEOである小寺剛氏が携帯型ゲーム機に関して「いろいろなオプションを考えていきたい」と述べたことを報じた。同氏の発言から、同社はまだPS Vita後継機の可能性を捨てていないことがうかがえる。

世界のゲーム市場は拡大。しかし、携帯型ゲーム機は……

 以上のように岐路に立たされているPS Vitaのような携帯型ゲーム機のゲーム市場におけるポジションを知るには、まずゲーム市場全体を俯瞰する必要があるだろう。調査会社Newzooは、4月に世界ゲーム市場の成長を予測したレポートを発表し、その概要を同社ブログ記事で報じた。世界ゲーム市場は2012年から2021年まで年平均成長率11%で拡大し、2021年には約1,800億ドル(約20兆4,000億円)規模になると予想されている。ゲームハード別に見ると、モバイルゲーム部門がもっとも成長し2021年には市場全体の59%を占めることになる。

 とはいうものも、モバイルゲーム部門の成長をけん引するのはスマホとタブレット向けのゲームだ。Newzooが発表したレポートによれば、2018年のゲーム市場のうち51%をモバイルゲーム市場が占めている。注目すべきは、モバイルゲーム部門には携帯型ゲーム機が占める位置がもはや存在しないことだ。2016年のレポートでは、携帯型ゲーム機は「HANDHELD(手持ち型ゲーム機)」というカテゴリー名で2%のシェアを占めていたが、2017年以降のレポートではこのカテゴリー自体が消滅している。こうした経緯は、同カテゴリーがもはや注目に値しないことを示唆している。

 SonyにとってPS Vita後継機の開発は選択肢のひとつかもしれないが、その後継機を従来通りスマホと競合する携帯型ゲーム機というポジションで市場に投入するのはリスクがある、と言わざるを得ない。むしろNintendo Switchのように据え置き型ゲーム機の周辺機器的な位置づけで開発するほうが、ゲーム市場に居場所を見つけられるかもしれない。

吉本幸記

最終更新:11/29(木) 8:09
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