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太陽光、価格引下げで「経産省VS業界」大紛糾

2018/12/2(日) 5:20配信

東洋経済オンライン

 経済産業省による再生可能エネルギー電力の固定価格買い取り制度(FIT)の見直し案が、太陽光発電業界に波紋を投げかけている。

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 経産省は10月15日の審議会で2012~14年度にFIT認定を得ていながら、いまだに稼働できていない太陽光発電事業を対象に、買い取り価格の引き下げや買い取り期間の短縮に踏み切るとの方針を発表。「未稼働案件に適切に対処することは、国民負担の抑制と新規開発の促進に資する」(山崎琢矢・新エネルギー課長)と理解を求めた。

 FIT制度では発電事業用の太陽光発電設備(出力10キロワット以上)について、当初決めた価格で20年にわたって電力会社が買い取る仕組みが設けられてきた。今回、経産省はFIT法に関する省令を改正し、「未稼働案件」の一部について、より実勢に近いコストに基づく価格への引き下げを実施する。

■いったん決めた買い取り価格を引き下げ

 具体的には、2019年3月末までに系統連系工事(送電線につなぐ工事)の着工申し込みが受領されていない案件について、従来の買い取り価格を大幅に引き下げる。2012年度および2013年度、2014年度に認定された案件の買い取り価格は現在、それぞれ1キロワット時当たり40円、36円、32円だ。2019年3月末までに系統連系工事の着工申込受領がなされず、2019年度および2020年度にずれ込んだ場合、これらを2017年度時点の価格である21円や2018年度時点の18円にそれぞれ見直す。

 経産省は11月21日までパブリックコメント(意見公募)を実施しており、寄せられた意見を踏まえて、早ければ12月5日にも最終案を公表する。

 経産省によれば、今回の制度改正の背景には再エネをめぐるいくつもの大きな問題がある。第1に、電気料金に上乗せして徴収されている再エネ賦課金の増大だ。2018年度の1年間だけで消費税の1%分に相当する2.4兆円に達する。再エネの発電量がこのままのペースで増え続けた場合、2030年度時点に年間3.1兆円と想定された賦課金額を前倒しで到達してしまう。賦課金の急速な増大には、日本経済団体連合会など経済界の反発も強い。

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最終更新:2018/12/2(日) 5:20
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