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日本の航空料金が高いのは、米軍・横田基地が原因だった

12/3(月) 6:00配信

現代ビジネス

首都圏上空の見えない壁

 羽田空港や成田空港を利用する飛行機から外の景色を眺めていると、ふと気がつくことがある。たとえば関西方面から羽田空港に向かう飛行機の場合。

 わざわざ空港から南へ50㎞ほどの地点を通り過ぎ、その後、房総半島端っこまで行き、左旋回した後に空港に着陸する。あきらかに遠回りをしている。

 なぜなのか。もちろん東京都心部の上空を低空飛行できないなどの制限はある。しかし、理由はそれだけではないと語るのは『知ってはいけない2 日本の主権はこうして失われた』(講談社現代新書)の著者である矢部宏治氏だ。

 「じつは日本の首都圏上空は米軍に支配されていて、日本の航空機は米軍の許可がないとそこを飛ぶことができません。いちいち許可を取るわけにはいかないため、JALやANAの定期便はこの巨大な空域を避けて、非常に不自然なルートを飛ぶことを強いられているのです」(以下、発言はすべて矢部氏)

 東京上空には巨大な「見えない壁」が存在しているのだ。これを「横田空域」という。東京・福生市にある米軍横田基地の上空を中心に広がる空域のことで、現在、米軍の横田管制が管理している。

 「横田」という名で誤解しそうだが、その管制空域は神奈川県や静岡県、北は新潟県まで1都9県にまたがっており、高度7000mから2400mの6段階の階段状になっている。

 なぜこれだけ広大な空域を米軍が支配することになったのか。

 「じつは'60年に岸信介首相が日米安保条約を改定するまで、日本の上空はすべて米軍に支配されていました。そのままでは『対等な日米関係』とは言えない。

 そこで'59年に日本の空(=航空管制権)はすべて日本に返還するという取り決めが結ばれることになりました。

 しかし、アメリカからすれば基地があっても、そこに自由に出入りできなければ意味がない。そのため裏で『米軍基地とその周辺は例外とする』という密約が結ばれたのです。

 さらに『その周辺』という言葉の意味を途方もなく拡大させる形で、横田空域が生まれました」

 羽田空港や成田空港に発着する航空機がこの空域を避ける方法は、迂回するか、その空域より上空を飛ぶかのどちらかしかない。そのぶん、時間を無駄にするとともに燃料費も余計にかかる。

 「東京-伊丹間の飛行時間は現在、およそ50分ですが、横田空域がなくなれば40分になると言われています。また横田空域を避けるため、航空機は急上昇して、旋回しないといけませんから、そのぶんの燃料費がかかります。もちろんそれは利用者負担になります」

 一般的な航空機は1秒でおよそ1ガロン(3・8ℓ)の燃料を消費する。燃料費は1ガロンで約300円なので、50分(3000秒)のフライトだと1回でかかる燃料費は90万円。

 もし10分(600秒)フライトを短縮できたら、燃料費は18万円安くなるはずだ。仮に300人が乗っていたとすれば一人あたり600円。横田空域という障害がなければ、航空チケットだってそれだけ安くなるのだ。

 また、不自然なルートを飛行するため当然、安全上の問題もある。

 「特に空域の南側は羽田空港や成田空港に着陸する航空機が密集し、危険な状態になっています。

 また緊急時、たとえば前方に落雷や雹の危険がある積乱雲があって、そこを避けて飛びたい時でも、管制官から、『横田空域には入らず、そのまま飛べ』と指示されてしまう」

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最終更新:12/3(月) 6:00
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