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リフォーム、建て替え、住み替え、どれがお得?|知っておきたい老後の住まい

2018/12/4(火) 7:02配信

サライ.jp

ひとくちに老後の住まいといっても、その選択肢は様々です。どこに誰と住むかによって、これからかかるお金も大きく変わります。住まいの問題は一人では決めにくいことなので、日頃から夫婦や家族でよく話しておくとよいでしょう。

前回はこちら→リフォーム詐欺、健康食品送りつけ、アダルトサイト不当請求|悪質商法に注意

誰と住むか、どこに住むか

老後の住まいの選択は多岐にわたります。退職前後にすでに住み替えた人も、これから検討する人もいるでしょう。

現役時代は転勤が続き、ずっと賃貸で暮らしてきた人が、郷里に住宅を購入したり、子どもたちが巣立った後に、広くなった家を売って、コンパクトマンションに住み替える、または体調面の衰えに備えて、元気なうちにサービス付き高齢者向け住宅に入居したり、二世帯住宅を建てて、子ども世帯と同居を始める人もいるでしょう。田舎暮らしや、海外移住もありえます。

このように多くの選択肢がある老後の住まいですが、いずれのプランを選ぶにしても、ついて回るのはお金の問題です。

新居の購入資金や建て替えの費用、施設の入居一時金などの支出ともなると、まとまったお金が出ていくことになりますし、今の住まいに住み続けるとしても、リフォーム費用がかかります。逆に、住み替えて元の家が空き家になれば、人に貸して家賃収入を得ることも、売ることもできます。

また、新しい生活を始めるとなると、それなりに気力も体力も使います。高齢になるほど、やりたいことがあっても、行動に移せなくなるかもしれません。これからどこに誰と住むかは、老後の生活やお金の出入りに大きく影響するので早めに考える必要があります。

住み続けるならリフォームを考えておく

今の家に住み続けるなら、考えておくべきなのがリフォームです。リフォームには、老朽化による家のメンテナンスのほかにも、住みやすくなるような間取りの変更や、環境に配慮した設備の増改築、耐震性の強化など、様々な目的があります。

なかでもこれから考えておきたいのが、バリアフリーリフォームでしょう。高齢になると、介護が必要とまではいかなくても、足腰が衰えて、若い頃は苦にならなかったちょっとした段差につまずいたり、階段の上り下りを負担に感じたりするようになります。そうなったときに備えて、浴室などに手すりを設置したり、廊下と部屋の段差を解消しておけば、長年住み慣れた家で、安全、快適に暮らせるはずです。また廊下や出入り口の幅を広くしたり、家庭用エレべーターを設置したりする工事を行えば、万が一、車いすが必要になった場合にも安心です。

バリアフリーに関するリフォームの予算は、手すりなどの取り付けで10万円前後、浴室の改修で100万~150万円が目安です。ただし、全面的な改装など大がかりなものになると、1000万円を超えることもあります。

手持ちのお金では足りなかったり、大きく貯蓄を取り崩したくない場合は、リフォームのためのローンを利用することができます。

60歳以上なら住宅金融支援機構から、高齢者向け返済特例制度を利用した融資が受けられます。これを使えば、月々は利息のみを返済し、元金は死亡時に、土地や建物を処分するなどして一括返済できるため、月々の返済負担を大幅に軽減できます。

このほか、介護認定を受けた人がリフォームを行った場合、公的な介護保険から補助金が受け取れる制度もあります。補助額は各工事20万円を上限に、8~9割が保険から支払われるため、自己負担は1~2割でよいことになっています。

対象となる改修工事の内容は自治体によって異なりますし、独自の助成制度を設けている場合もありますので、詳しくは市区町村に問い合わせてみるとよいでしょう。
 
自宅を建て替えるときの注意点

まず、自宅の建て替えを考えている人が共通して注意したいのが、容積率・建ぺい率の問題です。過去に容積率や建ぺい率の基準が変更されたため、古い建物を壊して新しく建て替えるとき、元の大きさと同じものが建築できないことがあります。容積率・建ぺい率は、土地によって異なるので、建て替え前には、市区町村に必ず確認してください。

●夫婦二人の家に建て替え

たとえば、建て替え後の家に二人で暮らすなら、夫婦それぞれ独立した部屋を造るのもよいでしょう。子どもの独立後に空いたスペースを使って、その分リビングを広くしたり、それぞれの部屋でお互いが気兼ねなく趣味を楽しめるようにしておくと、快適に過ごしやすくなります。

●二世帯住宅に建て替え

二世帯住宅は、親世帯には、子どもがそばにいる安心感が得られ、子世帯には、子育てを助けてもらえるメリットがあります。お金の面に関しても、親子でローンを引き継ぐ親子リレーローンが使えたり、親子それぞれがローンを借りるペアローンが使えたりと、多彩な返済プランが利用しやすくなります。

ただし、親の土地に子どもが建物を建てた場合、相続時に土地の所有権をめぐってきょうだいでトラブルになることもあります。後でもめないようにするためには、遺言を準備したり、預金や保険金など、土地以外の相続財産を準備したりするなどの対策が必要です。

二世帯住宅は建物が大きくなりがちなので、その分メンテナンス費用もかさみます。購入後に発生する費用を誰が負担するかは、あらかじめ決めておくほうがよいでしょう。

残念ながら、生活が始まってみると意見が食い違い、どちらかが出て行ってしまう話もあります。親子で協力してローンを返すつもりが、大きく返済計画が狂ってしまうことになりかねません。気持ちの面での破綻が、お金の破綻に発展する可能性もあるのが、二世帯住宅の注意点です。

また、子どものスペースと親のスペースを完全分離型にするのか、内部で行き来できる構造にするのかによって、登記の方法が変わります。完全分離型で区分登記すると、親子で住宅ローン控除が使えるなど購入時にはメリットがあるのですが、相続が発生した場合、所定の要件を満たしていないと相続税の評価の優遇が使えなくなることがあり、その結果、相続税の負担が大きくなる可能性があります。建てるときには、税理士など専門家によく確認するとよいでしょう。

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最終更新:2018/12/4(火) 7:02
サライ.jp

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