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従順な国民を産めよ増やせよ 中国が目論む「遺伝子操作ベビー“量産”計画」

12/6(木) 17:30配信

クーリエ・ジャポン

中国がパンドラの箱を開けてしまったのか──。中国の科学者が人類史上初めて、遺伝子組み換え技術で双子の新生児を誕生させたと発表してから1週間。世界を震撼させた科学者はこつ然と姿を消した。

中国政府は「倫理にもとる行為」と激しく非難したが、専門家は「中国政府の強力なバックアップがなければ不可能な研究」と指摘。当局に都合のいい「デザイナーベビー」の量産と劣性遺伝の排除につながりかねないとして、懸念を深める。

「狂気の沙汰だ!」

中国深圳市の国立大学、南方科技大学(南科大)で教鞭をとる賀建奎(ハー・ジエンクイ)副教授(准教授、34)は11月26日、遺伝子を改変する「ゲノム編集」技術でエイズウィルス(HIV)に感染しないよう操作した受精卵から、双子の女児を誕生させたと発表した。

賀氏は28日に香港で開催されたヒトゲノム編集国際会議に登壇し、HIV陽性の父親と陰性の母親からなるカップル8組(うち1組は後に離脱)が、自主的に研究に参加し、遺伝子を改変した31個の受精卵が胚盤胞(着床できる段階まで育った受精卵)に成長したと報告。このうち「露露(ルル)」「娜娜(ナナ)」と名付けられた双子が健康に生まれ、発育も順調と述べた。

賀氏は、2012年に発明された遺伝子編集技術「クリスパー・キャス9」を採用したと主張する。「分子のハサミ」と呼ばれるタンパク質を使って、ゲノム上の特定の箇所を任意に削除したり置き換えたりすることが可能な技術で、受精卵のDNA情報を改変し、遺伝で伝達される重病を予防できるとされる。

ただ、賀氏が成功したとされる受精卵ゲノム編集は、中国を含む大半の国で禁止されている。ゲノム編集は生まれて来る子供だけでなく、その子孫にも影響を及ぼす可能性が大きいからだ。

中国のエイズ研究学者122人は27日、「狂気の沙汰だ」「一線を超えた研究に断固反対する」との緊急声明を発表。

中国科技部(科学技術省)の徐南平副部長(次官)も29日、「中国の法律に公然と違反する行為。安全性と有効性が担保されていない状態で、学界が堅持する倫理と道徳のレッドラインを越えた」と非難し、研究活動を即時停止させるよう関連部門に指示したと述べた。「愚かしい賀氏のスタンドプレーで、中国の名誉が傷つけられた」との立場だ。

香港メディア「香港01」によると、学会がおこなわれた28日、南科大の学長が賀氏と6時間にわたり面談。学長は賀氏を伴って大学に戻り、賀氏は今も学内で軟禁状態にあるという。

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