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「少子高齢化」から「無子高齢化」へ:専業主婦依存の呪縛から逃れられない日本

12/6(木) 15:03配信

nippon.com

前田 正子

少子化は進む一方なのに待機児童問題が解消されないのはなぜなのか。性別役割分業によるかつての成功体験に縛られ、子育てを「個人の責任」「母親の責任」とする日本社会は、少子高齢化どころか無子高齢化に突入すると警鐘を鳴らす。

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世界の少子高齢化の先頭をひた走る日本だが、出生率の低下が社会的な問題として認識され、政府が本格的な少子化対策に取り組み始めたのは、文部、厚生、労働、建設の4大臣合意によって1994年に策定された「エンゼルプラン」からだ。その後、どの政権も保育園の整備・拡充を掲げ、自治体も努力を重ねているが、保育園に入れない待機児童はなかなかゼロにならない。

その一方、少子化の進展は急速で、地方では保育園の定員割れが広がり、保育園の閉鎖も始まっている。ここ15年の間、毎年500前後の小中高校が閉校になっているのだ。出生数は2016年に初めて100万人を下回り、17年には94.6万人まで減った。18年は90万人を下回るのではないかとささやかれている。それにもかかわらず、待機児童がゼロにならないのはなぜだろうか。実は待機児童は一部の地域に集中している。この背景には、いくつかの複合的な要因がある。

妻の収入が不可欠な時代

第1に人手不足の中で女性の働く場が広がり、出産後も就労を継続する女性の増加傾向がみられる。また、いったん出産で退職しても、子どもが小さい間に再就職したいと考える人が増えていることがある。

第2に1990年代に比べ、明らかに若い世代の所得が減っている。「収入が伸びている」と言われるが、それは所得減少の底を打ったここ数年のことにすぎず、1990年代の水準には及ばない。子どものいる世帯にとって、妻の収入は不可欠となっている。

第3に晩婚化・晩産化が進み、子どもが大きくなるまで待つと、親の年齢も30代後半から40代となり、再就職するのが難しくなる年齢に近づいてしまう。つまり、子どもが大きくなるまで待てないのだ。それが先に挙げた早期再就職の流れと結びついている。

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最終更新:12/6(木) 18:42
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