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認知症にもつながる!?ホントは怖い「脳疲労」の原因と対策

12/6(木) 17:31配信

@DIME

「脳疲労」があるかと聞かれると、多くの人はYESかNOかを答えられないだろう。それもそのはず、脳疲労は自覚がないものだそうだ。しかし、放っておくと仕事への悪影響や認知症などにつながる恐れもあるという。そこで今回は、脳疲労に詳しい早稲田大学の矢澤一良教授に脳疲労の原因と対策を聞いた。

まずは自分の脳疲労度をチェックしてみよう
まずはこのチェックリストに当てはまるかどうか確認してみてほしい。もし当てはまれば「脳疲労」状態に陥っている可能性もある。

●脳疲労度チェックリスト
1.食事が美味しくないと感じることが多くある
2.夜中に目が覚めやすい
3.便秘がちである
4.集中力が続かない
5.判断力が最近低下したと感じる
6.物忘れが多い
7.考えがまとまりにくい
8.身体を使わないのに疲れを感じる
9.無気力になることがある
10.いつもイライラしている
11.気持ちが沈んで暗い気分になる
12.何もないのに不安に感じることが多い

このチェックリストにあてはまった数によって、脳疲労レベルがわかる。

1~3個:脳疲労レベル低
4個以上7個以下:脳疲労レベル中
8個以上の人:脳疲労レベル高

脳疲労とは何か

このチェックリストを作ったのは早稲田大学の矢澤一良教授。脳疲労とは一体どういう状態なのだろうか。

「脳疲労とは、脳の神経細胞にアミロイドβタンパクやタウタンパクといった物質が溜まることによって、細胞傷害性が高まると同時に炎症が起きているような状態のことを指します。脳細胞は身体と比べて炎症を起こしやすく、自覚症状がありません。また、脳細胞は35歳をピークに毎日10万個ずつ死滅するといわれており、脳細胞は修復不可能であるため、減らさないことが重要となります。脳疲労は、将来、認知症のリスクを高めることにもつながります」(矢澤教授)

脳疲労の原因
では、脳疲労は何によって引き起こされやすくなるのだろうか。矢澤教授は次のことを挙げる。

●睡眠負債
毎日の睡眠不足が借金のように積み重なり、健康に悪影響を及ぼす恐れのある状態のことを睡眠負債と呼ぶ。昨今流行している単語でもある。集中力が低下し、仕事にも悪影響が及ぶほか、生活習慣病リスクも高まるといわれる。このような睡眠負債は、矢澤教授によると脳疲労の原因にもなるという。先ほど、脳疲労はアミロイドβタンパクなどがたまることが原因と述べられたが、「睡眠によってアミロイドβを排出できないと脳疲労の要因となる」そうだ。また矢澤教授は「6~7.5時間の睡眠時間を確保することが理想」と話す。「最低でも4.5時間の睡眠時間が確保できな いと睡眠負債を引き起こし、脳疲労になる」そうだ。

●女性ホルモン量の急激な減少
「女性は閉経を境に女性ホルモンの量が急激に減少することで脳疲労が引き起こされやすくなります。アミロイドβの蓄積を防ぐ働きをする女性ホルモンが減少すると、アミロイドβが急増し脳疲労の要因となります」(矢澤教授)

●孤独
「孤独も脳疲労を引き起こす要因といわれています。孤独状態で起こるストレスや人間関係において起こるストレスは、活性酸素を過剰に発生させ、アミロイドβやタウタンパクなど脳のゴミが溜まりやすくなります」(矢澤教授)

脳疲労の対策
もし先の脳疲労チェックリストに多く該当し、さらに睡眠負債などを自覚しているなら、脳疲労予防・対策を行いたい。そこで矢澤教授に睡眠と食事の面からの対策を聞いた。ぜひ実践してみよう。

●睡眠の対策
「成人は睡眠時間を最低でも6~7.5時間確保することが必要です。休日にたくさん寝て普段の睡眠不足を補おうとする、いわゆる『寝だめ』は生活リズムが壊れてしまうためおすすめできません。とはいえ、睡眠時間を定期的に確保できない人は、深部体温を下げるなどして睡眠の質を向上させることで、脳の老廃物の蓄積を解消させることができます」(矢澤教授)

【睡眠の質を向上させる行動例】
・日中、眠いときに30分の昼寝をする。
・ぬるめのお湯で10分以内の半身浴を行う。
・寝る直前のお酒やタバコをしない。
・寝る前60分はスマホなどの電子機器を扱わない。
・昼間に日光を浴びる。
・昼間に汗をかくくらいの運動をする。

●食事の対策

「日常の食事の中にブレインフードを取り入れることが、最も手軽な脳疲労対策といえるでしょう。ブレインフードの明確な定義はありませんが、一般に、脳の活性化のために必要な栄養素や、脳機能障害を予防するための食品のことを指します。

中でも、PSという成分は脳疲労の原因物質であるアミロイドβなど、脳のゴミの排出をサポートする働きがあります。アメリカではすでにPSのサプリメントが100億円超の市場規模になっていますが、ここ日本でも最近バラエティ番組で紹介されるなど、注目されてきている成分です。もちろん、PSだけでなくさまざまなブレインフードをまんべんなく摂取することで、脳に与える良い効果はより期待できると言えるでしょう」(矢澤教授)

【ブレインフードの主な成分と、それを含む食品例】
・DHA(ドコサヘキサエン酸):青魚に多く含まれる。脳の老化を防止、記憶力維持。
・PS(ホスファチジルセリン): 大豆・大豆製品に多く含まれる。脳のゴミの排出を行う。記憶力維持。
・チョコレート(カカオ):加工の少ないローカカオがおすすめ。認知力向上が期待できる。
・α-リノレン酸:くるみ、ナッツ類に多く含まれる。脳の老化防止、記憶力維持。
・アスタキサンチン:エビ、鮭などに含まれる色素。強い抗酸化作用や抗炎症作用。
・クルクミン:ウコンに含まれるポリフェノール。抗炎症作用の他、幅広い作用。
・ミルクペプチド :牛乳由来のペプチド。抗ストレス、睡眠改善作用。
・玄米:GABAが多い。脳の老化防止。
・ホスファチジルコリン(レシチン):脳神経細胞のシナプスを柔軟にする。
・緑茶:L-テアニンが多い。心が落ち着く。

【取材協力】
矢澤 一良(やざわ かずなが)教授
早稲田大学 ナノ・ライフ創新研究機構規範科学総合研究所ヘルスフード科学部門 研究院教授。「日本を健康にする!」研究会会長として、健康的な食生活のための間食の重要性を説く「機能性おやつプロジェクト」を推進。1972年京都大学工学部工業化学科卒業。2014年4月より現職。ヘルスフード科学、脂質栄養学、海洋微生物学、食品薬理学を専門とする。学術論文を130報以上発表(共著を含む)、300件以上の特許を出願している。著書に『機能性おやつ』扶桑社(2012)等がある。

取材・文/石原亜香利

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最終更新:12/6(木) 20:51
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