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ゲノム編集ベビーは本当に生まれたのか?中国人科学者の経歴から探る

12/6(木) 13:00配信

現代ビジネス

 先週、「中国・南方科技大学の賀建奎(He Jiankui)副教授が、HIVへの抵抗力を備えたゲノム編集ベビーを誕生させた(かもしれない)」とするニュースが世界中を駆け巡った。

 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58700

 気になる「真偽」を確かめる上で、まず賀建奎氏とは、どのような人物なのだろうか? その経歴と実力を探るところから始めよう。

優秀だが、ゲノム編集の実績は見当たらない

 中国・湖南省の貧しい農家に生れた賀氏は幼い頃からアインシュタインにあこがれ、自宅に物理学の実験室を作り上げた。

 中国の大学では当然、物理学を専攻したが、2007年頃に米ライス大学に留学してからは生物学に転向。そして2010年には早くも(ゲノム編集技術のベースとなる)クリスパーに関する(以下の)論文を発表している。

 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20867676

 これはジェニファー・ダウドナ、エマニュエル・シャルパンティエ博士らの共同研究チームが(ゲノム編集技術としての)クリスパーを発明する2012年より前のことである。

 賀氏は物理学から生物学に転向して短期間で、この分野の最前線に追い着いたことになる。

 やがて彼は米スタンフォード大学の博士研究員を経て中国に帰国後、ほぼ独力で医学用のゲノム・シーケンス装置(DNAのヌクレオチド配列を測定する装置)を開発・製品化したというから、ずば抜けた頭脳と行動力の持ち主のようだ(以下の記事に同装置の写真が掲載されている)。

 https://www.jiemian.com/article/2655421.html

 ただ気になるのは、賀氏が肝心の(ゲノム編集技術としての)クリスパーについては、これまで研究業績がほぼ皆無の、言わばダークホース的な存在であったことだ(上記2010年の論文は「細菌の適応免疫機能」としてのクリスパーに関する論文に過ぎない)。

 参考文献:賀建奎氏のこれまでの研究業績
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/? term=He%20J%5BAuthor%5D&cauthor=true&cauthor_uid=20867676

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最終更新:12/6(木) 13:00
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