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武田薬品、巨額買収承認後に待ち構える不安

12/6(木) 6:00配信

東洋経済オンライン

 日本のM&A(合併・統合)で過去最高額となる約6・8兆円の巨額買収が成立し、売上高3.3兆円、世界7位となる日本初のメガファーマ(巨大製薬企業)が誕生することになった。 

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 国内製薬首位・武田薬品工業の臨時株主総会が12月5日に開かれ、欧州製薬大手シャイアーの買収が88%以上(速報値)の株主の賛成で承認された。

 シャイアー買収には約3兆円の現金と4兆円相当(現在の発行済み株数とほぼ同じ約7.8億株)の新株が投じられる。この新株発行の是非を問う場が今回の株主総会だった。同じ日にシャイアーの株主集会も開かれ、4分の3以上の賛成で買収が承認された。

 クリストフ・ウエバー社長以下、武田経営陣には株主総会前から分かっていた勝利だった。海外、国内合わせた機関投資家などが保有する議決権比率は66%前後あり、国際的な議決権行使助言会社2社の賛成推奨もあった。買収承認に必要な3分の2を確保し、あとは個人株主などの票が残るだけだった。

■合併反対派の「誤算」

 6月28日に開かれた定時株主総会では、武田OBら約130人の個人株主でつくる「武田薬品の将来を考える会」が提出した、シャイアー買収反対につながる株主提案に9%強の支持が集まった。同会代表の武田和久氏は武田の元幹部社員にして、11月に合併反対を表明した武田國男元社長のいとこに当たる。武田創業家の多くも、同会に共鳴しているとみられる。同会が6月に得た9%がどこまで上積みされるか、それが今回の臨時総会の焦点だった。

 結果をみれば、反対票は約11%。支持は大きく広がらなかった。総会後の武田和久代表の表情はいつになく硬かった。「武田中興の祖」とも言える國男元社長が間接的とはいえ、初めて外部に買収反対の意思を示したのは、少なからぬインパクトを与え、同会は国内外の機関投資家や個人投資家向けに精力的に反対活動を展開した。それだけに、同会幹部も「正直15~16%は期待していたが、極めて残念な結果になった」と失望を隠さない。

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