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チェンジアップは魔球か劇薬か。中日・笠原祥太郎へ権藤博の警鐘。

12/6(木) 11:31配信

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 今秋に開催された日米野球の侍ジャパンに、中日の笠原祥太郎が選出された。あらゆるカテゴリーを含め、日本代表入りしたのは今回が初めて。レギュラーシーズンでは6勝4敗、防御率4.14の成績を残したとはいえ、まだ全国区とは言いがたい存在だ。

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 しかし、工藤公康、杉内俊哉、山口鉄也、さらにはチームの先輩である野口茂樹と同じ背番号47は、優れたサウスポーの代名詞でもある。2年後の東京五輪も見据え、新たな戦力の見極めも進めたい稲葉篤紀監督の思惑もあってか、笠原は地元・ナゴヤドームでの第6戦(11月15日)の先発マウンドを任された。

 5回2死。球数制限の80球に到達したところで降板したが、4安打、2四球の無失点で切り抜けた。今季21本塁打の1番打者、J・T・リアルミュート(マーリンズ)から2つ、さらに今季34本塁打の4番、エイウヘニオ・スアレス(レッズ)、同21本塁打のエンリケ・ヘルナンデス(ドジャース)から計4三振を奪って見せた。

投球の約20%がチェンジアップ。

 「ピンチをつくっても粘れたのがよかった。でも真っ直ぐのスピード、質ともにまだ足りないことが、メジャーリーガーと対戦してわかった」

 見事に勝利投手(球数制限があるため、5回を投げきらなくても勝利投手になれる)となった笠原は、大きな自信をつかみ、来季への課題も明確に意識できた。

 プロ2年間で通算7勝。高校(新津高)は新潟県のごく普通の県立校で、大学(新潟医療福祉大)もリーグ戦を戦うためにバスに何時間も揺られて移動する環境だった。

 そんな笠原が屈強な大男たちをきりきり舞いさせたのはなぜか。ストレートの球速は140キロ台前半。トラックマンで分析しても、ホップ率に秀でてはいるものの、圧倒する球速はない。

 だから本人のコメントでも「まだ足りない」となるわけだが、笠原の投球を最も特徴付けているのは、全投球の20%前後を占めるチェンジアップである。対戦を重ねたセ・リーグの打者ですら「あれは魔球だ」と目を見張る。体勢は崩され、ファウルで逃げるのが精いっぱいだ。

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最終更新:12/6(木) 12:11
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