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阿部慎之助の捕手復帰にプライドが感じられない/廣岡達朗コラム

12/7(金) 10:57配信

週刊ベースボールONLINE

年俸5000万円減でもまだ高い

 巨人で報じられるのは原辰徳監督の動向ばかりだ。担当コーチの話題はメディアであまり触れられていない。以前書いたように新体制の中には、野球の勉強を真剣にやっているとは思えないコーチもいる。現役時代に同じ釜の飯を食ったからといって起用するのはいいが、原も大変だとは思う。選手のみならずコーチの指導も一手に引き受けなければいけない。本来は「打撃のことはすべて任せてください。監督は余計なことは言わないでください」というぐらいの骨のあるコーチが必要なのだ。

 阿部慎之助は来季、本人の希望で捕手に復帰するらしい。そもそも捕手が務まらなくなって一塁へ行った男だ。その間、巨人が優勝していないからというエクスキューズを盾に古巣のポジションに戻ったとして、小林誠司を抜けるのか。プライドも何も感じられない。今季の阿部の年俸は2億1000万円。先日の契約更改では5000万円減でサインしたが、それでも1億6000万円というのは今年の成績を考えるとまだ高い。

 阿部は毎年、オフにグアムで自主トレを行う。寒ければ寒さに慣れるにはどうしたらいいか考えるべきなのに、寒さと向き合うことをせずに暖かい所に行ってしまう。阿部に限らず、そういう選手が若い人たちの中には多い。

 私の現役時代には正月早々、合氣道の権威である藤平光一先生に呼ばれて寒行をやったものだ。朝起きたら外は霜で真っ白。藤平先生の号令の下、みんなで輪になって真冬の冷たい川に飛び込むのだ。藤平先生の教えを受け継ぐ息子さんの著書によると、何がなんでもこれをやろうと思えば、真冬の川にも入れると書かれている。そこで暖かさを頭にイメージする必要はない。寒行に限らず、俺は絶対にこれをやるんだと決めたら人間というのは完遂できる。考え方一つで、どうにでもなるのだ。

 私は若いころから冬でも水風呂に入っていた。86歳になった今では、朝に目覚めると「今日も元気だ」と感謝の念を持ち、細胞をより目覚めさせるために、水を全身にザーッとかける。おかげで、どんなに寒くても風邪などひいたためしがない。

 日本には四季がある。気候的に、こんなにいい国もない。自然に逆らってはいけない。にもかかわらず寒ければ温暖な地に行けばいいという考えは堕落を招く。

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