かたや、欧州でネイキッドブームを生んだZ1000をベースとしたネオ4発NK・Z900。こなた、長らくカワサキのミドルクラスを担っていたER-6nがフルモデルチェンジして生まれた、ザッパーの再来!?・Z650。車格が異なる両車だが、その走りにはどのような違いがあるのだろうか? 東京上野のヤングマシン編集部~西伊豆間の往復約400kmをテスター4名が走り、個人的採点を施した。本稿では試乗ツーリングのラストステージ・ワインディング走行の後に採点結果を発表する。
【KAWASAKI Z900 95万400円 4気筒 125ps 948cc】
【KAWASAKI Z650 78万6240円 2気筒 68ps 649cc】
テスター4名(左から)サーキット走行を知り尽くした男・伊丹孝裕、ガジェット&雑学王・八百山ゆーすけ、ユーザー代表Youtubeクリエイター・二宮祥平、YM編集部のインプレデータバンク・松田大樹
ワインディングではパワーや足まわりの良し悪しが如実に出るため、スペックに勝る兄貴分・Z900がそのまま逃げ切るのか? はたまた高速道路で食い下がったように弟分・Z650が意外なポテンシャルを発揮するのか?
結論から言うと、Z650がZ900を多くの要素で圧倒。4点差をつけて見事上回ってみせた。
大きな原因は軽さがもたらす素直なハンドリングで、入力だの荷重だのといった難しいことを抜きにして、バイク任せで走れるフレンドリーなキャラクターがあったことだ。
車体もスリムならタイヤも細身でバンク角に頼らなくてもクルリと旋回。「お! なんか俺、上手くない?」と思わせてくれる縁の下の力持ち的サポートがZ650の真骨頂でもある。
ただひとり、伊丹のスタンスはちょっと異なっていた。他の3人同様、軽快なハンドリングは評価しながらも、あるレベルを超えるとサスペンションが頼りなくなることを指摘。ワインディング=スポーツと捉えるなら、やはりZ900の方が想定限界が高く、頼りになるようだ。
Z650は80%までの領域が楽しく、その先にまだオイシイ部分が残されているのがZ900と言えるだろう。
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