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今季のバイエルンとレアルに共通する 「ビッグクラブゆえの悩み」

12/7(金) 14:47配信

webスポルティーバ

蹴球最前線──ワールドフットボール観戦術── vol.46

 サッカーの試合実況で日本随一のキャリアを持つ倉敷保雄、サッカージャーナリスト、サッカー中継の解説者として長年フットボールシーンを取材し続ける中山淳、スペインでの取材経験を活かし、現地情報、試合分析に定評のある小澤一郎――。この企画では、経験豊富なサッカー通の達人3人が語り合います。連載一覧はこちら>>

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――チャンピオンズリーグ(CL)のグループステージもいよいよ残り1節となりましたが、今シーズンは5節を終えた段階ですでに12チームがラウンド16進出を決めています。もちろん開幕前に優勝候補としてお三方が挙げられたレアル・マドリー、バルセロナ、ユベントス、マンチェスター・シティの4チームもその中に入っていますが、今回はすでにグループステージ突破を決めたチームの中から有力チームをピックアップして細かく分析していただきたいと思います。まずは毎シーズン優勝候補に挙がるバイエルンからお願いします。


倉敷 成熟しつつある常連クラブがある一方で、新旧交代の難しさに苦しんでいるのがレアル・マドリーとバイエルンです。中山さん、今シーズンからバイエルンを率いるニコ・コヴァチ監督はいろいろと苦労している様子ですね。

中山 はい。CLではグループにも恵まれてグループステージ突破を決めましたが、国内リーグではかなり苦戦していて、首位ドルトムントに勝ち点9ポイントも離されていますね(第13節終了時点)。ただ、当初からコヴァチがバイエルンのようなビッグクラブの監督を務められるのかという周囲の不安の声があったわりに、開幕4連勝を記録するなどすばらしいシーズンの入り方をしていました。

 ところが、9月下旬から急激に調子を落としてしまった。故障者の影響もありますが、そんななかでコヴァチはローテーションを使って選手をやり繰りしていましたが、それがうまくいっていないという印象を受けます。

 勝っている時は問題ないのですが、勝てなくなるとスター選手から不満の声が噴出するということは予測していたとおりで、実際、ハメス・ロドリゲスを中心にその手のコメントがメディアを賑わせるようになってしまいました。チャンピオンズリーグのベンフィカ戦(第5節)に勝って少し落ち着きましたが、まだまだ危機は続きそうな気配もあります。

倉敷 小澤さんはバイエルンとマドリーの共通点についてどう見ていますか?

小澤 ビッグクラブであるがゆえに、ここ数年は大物選手を新しく獲得することができていないという部分が共通点のひとつだと思います。国内からそれなりにいい選手を獲得していますけど、あくまでもそれは若手や中堅クラスの選手に限られていて、チームの新陳代謝を促すようなビッグネームの補強はありません。どちらもこの夏に監督が交代しましたが、チーム内における選手の序列、あるいは主力選手への依存度は変わっていないので、どうしても蓄積した疲労が露呈してしまいます。

 監督が戦術面で何か新しいものをチームに取り入れるとか、長年プレーする選手たちに新しいモチベーションや刺激を与えられればいいのでしょうけど、正直、まだコヴァチはそこまでのものは持っていないのではないかと見ています。

倉敷 ライバルチームに勝てていないという共通点もありますね。バイエルンの場合はボルシア・メンヒェングラートバッハにも(第7節)、ドルトムントにも勝てなかった(第11節)。さらに、格下のチームを相手にするとやや集中力に欠けるところも似ています。

 マドリーはエイバルに完敗(第13節)、バイエルンもアウクスブルク戦(第5節)やフライブルク戦(第10節)でドロー、極めつけはデュッセルドルフ戦(第12節)で、降格圏にいたチームに一時は2点のリードをつけながら試合終了間際に追いつかれてしまいました。まさに大失態と言える試合を演じてしまった原因のひとつは小澤さんがおっしゃったように選手の疲れにありそうですね。

小澤 何度も言っていますが、とくに今年の場合は、ワールドカップの影響が相当あるのではないでしょうか。スペインもドイツも早期に敗退しましたけど、選手たちはワールドカップのために夏のオフをある程度削りながらシーズンに入ったことは確実ですし。

 あとは、バイエルンもマドリーもセンターバックとゴールキーパーのところでチームを鼓舞してまとめられないという部分が気になります。現在のバイエルンで言うと、マヌエル・ノイアーもジェローム・ボアテングもマッツ・フンメルスもそうですが、後ろからチームのベストパフォーマンスを引き出せているかというと、そうは思えません。そういうところでチームの士気を上げられていないという点は、確かにマドリーと似ている構造だと思います。

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