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NetflixやVTuberにも進出、中国3.5億人の“オタク”パワーが世界を席巻しつつあるワケ

12/7(金) 7:10配信

ビジネス+IT

 中国のコンテンツビジネス、特にアニメ・ゲーム市場は年間3600億元(日本円約6兆円)を売り上げる世界一の巨大マーケットである。ゲーム、アニメーション、VRなど、3.5億人のACG(アニメ、コミック、ゲーム)系ユーザーに向けて日々新しいコンテンツが生み出されている。著作権に関しても取り締まりが強化されるなど環境整備が進む中国は、いま、コピー大国という汚名を返上しようとしていると同時にクリエイティブにもオリジナルの力が培われている。上海を拠点にアートやコンテンツビジネスを展開するoffice339代表の鳥本健太氏がその先端事情をレポートする。

●中国産アニメコンテンツがNetflixと独占契約

 2018年5月、Netflixがカンヌ国際映画祭において、ある中国産アニメ映画の中国外での放映権を3000万ドル(日本円約34億円)で取得したとのニュースが出て、中国のコンテンツ業界で大きな話題となった。

 「暴走吧!失忆超人(邦題:ネクスト ロボ)」というタイトルのこのアニメは、人間とロボットが共存する近未来を舞台に、中国人の少女「メイ」とピュアで勇敢なロボット「7723」との友情を描いた作品だ。

 どこかピクサーの「ベイマックス」を思わせる設定ではあるが、映像のクオリティの高さや、過去のアニメ作品をオマージュしながらも随所にオリジナリティが散りばめられている点が評価されている。



 としても、中国のアニメ制作のレベルが急激に上がっているという話はちらほら耳にするようになってはいたが、中国国内ならまだしも、いきなりグローバルでのこのような評価は前例がない。日本のアニメ業界に悲観的なニュースが多いのとは対照的で、いまの中国の勢いを感じる象徴的な出来事のように思えた。ちなみに、今回のディールはカンヌでの過去最大規模のものとなったようだ。

 この映画のキーとなる制作会社が、中国でのオンラインコンテンツの走りともいわれる「暴走漫画」である。

 暴走漫画は2008年からネット上で「王尼玛」というキャラクターをメインに同人漫画コンテンツ制作ソフトを配信し、同人コンテンツで人気を高めた。2013年からはバラエティ番組「暴走大事件」の配信を始め、毎回数千万回という再生回数を稼ぐほど中国の若者から絶大な支持を得ている。

 「暴走吧!失忆超人(ネクスト ロボ)」に登場するロボ「7723」も、王尼玛原作のマンガが元となっており、今回の映画の製作も共同で行っている。時間をかけて国内で独自の製作能力や影響力を培ってきた彼らが、満を持してグローバルに展開する形となった。

●「暴走漫画」の動画はなぜ中国から消されたのか

 飛ぶ鳥を落とす勢いに見えるが、そう一筋縄では行かないのが中国という国である。Netflixでの配信が発表された直後の5月中旬、突然彼らのメインコンテンツである動画番組「暴走大事件」が、中国のすべての動画プラットフォームから削除されたのだ。

 きっかけは、中国当局が発令した「英雄烈士保护法」だ。過去の偉人である「英雄烈士」を批判するような表現は罰するという法令である。暴走漫画が2014年に放送した番組で、英雄烈士「董存瑞」を侮辱するような表現があり、それを5月8日に1分ほどの短い動画に再編集し発表したことが原因である(作り手側は「動画の意図は不適切なタイミングの広告に対する強烈な皮肉」と主張している)。相当厳しい処分といえ、中国ならではのリスクである。

 そのためか、「暴走吧!失忆超人(ネクスト ロボ)」は9月7日よりNetflixで全世界に配信されているものの、本来予定されていた中国本土での公開は未だにされていないという現象が起きている。

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最終更新:12/7(金) 7:10
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