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謎の発熱と嘔吐で苦しんだ25歳妻の病名と意外な原因

12/7(金) 6:00配信

ダイヤモンド・オンライン

● 「俺、専業主夫になりたい」 失業した新婚夫から告げられた

 祝福のシャワーを浴び、幸福の絶頂にいたのはつい半年前のことだ。それなのに、千鶴さん(仮名・25歳)は今、先がまるで見えない、暗いトンネルの中にいる気分を味わっていた。

 6歳年上の夫・正(仮名・31歳)さんと結婚し、意気揚々と新生活をスタートした矢先、正さんの事業が失敗してしまい、生活費の担い手はいきなり千鶴さん1人になってしまった。

 ただ、千鶴さんはポジティブであり、非常に優秀でもあった。年上の青年実業家との結婚とはいえ、養ってもらうつもりはなかったし、現時点での自分の稼ぎはたいしたことないが、いずれは実力を認められて大出世なり起業なりする予定でいた。だから、限られた収入でのつましい生活も決して苦ではなかった。

 「大丈夫。リベンジしようよ。応援するから」

 笑顔で励ましたのは、夫の才能とやる気を信じていたからだ。なにせ結婚したばかり。愛する新妻のためにも、死に物狂いで頑張ってくれるはずだと思っていた。しかし、夫の反応は意外なものだった。

 「そうだね。でも俺、べつに男が頑張らなきゃいけないとは思っていないんだよね。専業主夫になってチイちゃんを支えようかなぁ。憧れなんだよね、3食昼寝付き生活って。安心して。家事は全部やって、内助の功で支えるから。俺、独り暮らしが長かったから、家事能力はそのへんの女より断然高いよ」

 真顔で言う。

 「何言っているの、私は内助の功なんかいらないよ。自分のことは自分でできるから。あなたはちゃんと、仕事を頑張ってよ」

 激励したが、正さんは涼しい顔で受け流し、勝手に専業主夫を始めてしまった。

 朝は千鶴さんより早く起き、朝食と弁当を作る。弁当にはハート形に切り抜いたのりがのせられていることもあり、まさに新婚ほやほやの愛妻弁当のようだった。掃除洗濯も手堅くこなし、夕食にはサバ味噌や肉じゃがなど、いわゆる“おふくろの味”が並んだ。本棚にはいつの間にか、料理本が増えていた。レシピ専門サイトの会員にもなったらしい。

 しかしこのころ、千鶴さんは新規プロジェクトのリーダーに抜擢(ばってき)されたせいもあって多忙を極め、帰宅は連日深夜。夕食を家で食べられるのは週1~2回だった。

 終電で、くたくたになって帰宅すると、正さんはいつも起きていた。千鶴さんを待っていたわけではない。ハイボールを飲みながら、DVDを見たり、ゲームをしたりして、ゆったりと過ごしている。事業に失敗する直前の、やつれて、イラついていたころと比べ、見違えるように元気になった。

 一方千鶴さんは、どんどん元気がなくなっていった。連夜の残業に加え、早朝会議への出席を義務付けられたのもつらかった。プロジェクトリーダーになって、上層部の人間と話すことが増えると、自社は思いのほか古い体質の人間が多いことも分かった。

 目の下にクマができているのは過重労働のせいなのに「新婚さんはお盛んだね」と、笑われる。普通に意見を述べただけでも「そんなかわいくないこと言ってると、ご主人に嫌われるよ」とはぐらかされる。ハート形ののり入り弁当が愛夫弁当であることをうっかり漏らすと、「旦那に弁当を作らせている鬼嫁」と驚かれ、女性役員に呼ばれて諭された。

 「あなたがどんなに優秀で、稼ぎがあっても、ご主人を立ててあげないとダメよ。立てて、おだてて、手のひらで転がすのができた女房なのよ。私はあなたのためを思って言っているの」

 まったくもって余計なお世話。「うちの夫婦のことなんて、何も知らないくせに」、千鶴さんの心にもやもやがたまっていった。

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