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ソフトバンク通信障害が映すスマホ社会の罠

12/7(金) 16:00配信

東洋経済オンライン

 12月19日に上場を予定しているソフトバンクの通信サービスに約4時間半にわたって全国的な通信障害が発生した。

 同社発表によると、12月6日午後1時39分ごろから午後6時4分までの間、ソフトバンクおよびワイモバイルの4G(LTE)携帯電話と固定電話、家庭用WiFiサービスが利用できない状況が発生していた。原因調査の結果、LTE基地局を制御する装置(MME)の不具合と判明。

 ソフトバンクは「パケット交換機」と発表しているが、障害を起こした機器について開発元のエリクソンは「SGSN–MME」としており、通信の両端にあるLTE基地局同士を結びつけたり、異なる基地局をまたがって移動しながら通信する際の調整を行う「制御装置」という表現が正しい。

■障害の原因はエリクソンの“ポカ”

 エリクソンによると、MMEを構成するソフトウェアの証明書に齟齬(おそらくは一部の証明書が古く有効期限が切れる寸前だった可能性が高い)があり、グローバルで同じバージョンのMMEが同時に停止した模様だ。MMEが機能しなくなると、LTE基地局および基地局を結ぶ通信網が健全であったとしても、機器同士の通信は行えなくなる。

 このため、英国でも同時刻に通信会社O2が同様の障害を引き起こしたほか、世界11カ国で同様のトラブルが同時多発的に発生したとみられている。しかも一部のMMEが障害を起こすといった一般的なITシステムがダウンするケースとは異なり、東京と大阪のデータセンターに配置されているMMEが(おそらくすべて)同時にストップしたという点で、極めて特殊な事例だ。

 しかも、こうした“同時かつ広範囲”に通信網がダウンする事例が、電子証明書の齟齬という極めて初歩的と推察されるミスで引き起こされた。この障害事例は複雑ではない。まさに“ポカ”と表現されるような、エリクソンのミスだ。

 言うまでもなく社会全体に浸透している無線通信網だが、それらが失われたとき、社会がどのようになってしまうのか。完全に通信手段がなくなったとき、どのような影響があるかは、これまで想像力に頼るほかなかった。

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