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血糖値に影響を与える薬を教えてください

2018/12/15(土) 8:30配信

月刊糖尿病ライフ さかえ

Q:糖尿病治療薬以外で、血糖値に影響を与える薬を教えてください。

A:単独で使用しても血糖値を上げる可能性のある薬として、副腎皮質ステロイド薬、インターフェロン、免疫抑制剤(シクロスポリン、タクロリムスなど)、一部の抗精神病薬、抗がん剤のL-アスパラギナーゼ、分子標的薬などが挙げられます。
 また、血糖値を下げ、低血糖を引き起こす可能性のある薬もあります。

●血糖値を上げる薬 
 冒頭に挙げた薬のうち、副腎皮質ステロイド薬は、さまざまな病気の治療に使われ、また飲み薬、注射、点滴、吸入など種々の投与経路で用いられます。インスリンの作用を弱めたり、インスリンと対抗するホルモンであるグルカゴンを増やすことで血糖値を上げると考えられています。

 体の中に入った糖は、化学反応によりそのかたちを変えてエネルギーの素となります(代謝といいます)。一部の抗精神病薬は、この糖の代謝に影響を与え、血糖値を上げると考えられています。

 そしてステロイドや一部の抗精神病薬に限らず、薬の中には服用することで体重が増えるものがありますが、体重が増えるとインスリンの作用が弱まり、血糖値が上がることもあります。

●血糖値を下げる薬
 逆に単独で使用しても血糖値を下げる可能性があり、低血糖を起こすことがある薬として、かぜなどで処方されるアスピリン、降圧薬のβ(ベータ)遮断薬・ACE阻害薬、抗精神病薬、ニューキノロン系抗菌薬、抗不整脈薬(Ia群、Ic群)などがあります。

 これらの薬が、なぜ低血糖を起こすのか十分には分かっていないものがほとんどですが、高血圧や抗不整脈薬、抗生物質など比較的よく使われる薬での低血糖の報告もあるため注意してください(さらに糖尿病薬との併用は、低血糖を起こしやすくするので、より注意が必要です)。

●その他の影響
 また、近年、抗腫瘍効果が高く注目されている免疫チェックポイント阻害薬と呼ばれる抗がん剤は、使用開始からしばらくして、劇症型を含む1型糖尿病の新規発症も報告されています。

 このように血糖値に影響を与える薬はいろいろあります。さらに薬だけではなく、健康食品やサプリメントでも血糖コントロールに影響を与えることがあります。

《ポイント》
大切なことは、主治医の先生に使用中の薬やサプリメントを全てお伝えいただくことです。お薬手帳にそれらを全部書き込んでおいて、糖尿病連携手帳と一緒に見てもらいましょう。また、薬局などで薬やサプリメントを購入するときは、薬剤師に相談してください。


医療法人社団汐咲会 井野病院 薬剤部
糖尿病療養指導士兵庫県連合会 理事
冨田 里佳(とみた・りか)

※『月刊糖尿病ライフさかえ 2018年2月号』より

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(第59巻・4号)

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