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「渋沢栄一」の金言から学ぶ ~ 成功や失敗は、人生の残りカスに過ぎない 日本人は「信」を自覚して希望を持とう

2018/12/18(火) 16:26配信

日経BizGate

■競争には良し悪しがある

すべて物を励むには
競うということが必要であって、
競うから励みが生ずるのである。
【「論語と算盤」・算盤と権利】

現代の言葉で言うと......

全て物事に取り組むためには競争心が必要である。
また、競争心があるからこそ、
物事に積極的に取り組めるのである。

■競争の原理を排除する幸せはない

 最近の日本社会は競争心が失われたと言われています。

 「ゆとり教育」時代では、運動会のかけっこで、子供たちがゴール寸前で皆が手を組んで一緒にテープを切るという都市伝説が広まりました。

 また、大人の世界でも、大手メーカーたちが、後から追ってくるアジアの強豪たちを競争相手と認めず、はっと気づいたら、先を越されてしまったという屈辱を「サラリーマンだから」と平然としているケースが少なくありません。

 全て物事に励むためには競争が必要であり、競争があるから励みが生じます。これが、真の競争の原理です。

 ただ、競争には良い競争と悪い競争の2種類があります。毎日、他の人より朝早く起きて仕事に就いて、色々と工夫を繰り返し、知恵と勉強で他人に打ち勝つことは良い競争です。一方、他人が企画した商品やサービスを、世間の評判が良いからとそっくり真似して、はたから侵入することを企むことは悪い競争になります。

 イノベーションは、良い競争の成果です。

 イミテーションは、悪い競争の産物です。

■未来への理想を信じよう

未来のことに向かって
是非とも理想は持つべきものである。
もっとも重要なるは信である。
【「論語と算盤」・理想と迷信】

現代の言葉で言うと......

未来に向かって、ぜひ、理想を持とう。
その際に最も重要な要素は信じることである。

■日本人は信を自覚して希望を持とう

 未来に向かって、理想を持ちましょう。そのために、「信」という一文字、これを守ることが基本です。

 その昔、外国からの日本人の評価は高かった時代がありました。日本が先進国への仲間入りに励んだ明治時代では「道理ある希望を持って活発に働く国民」であると言われました。

 ただ、最近はどうでしょう。外国人が日本人を評価するときに「希望」とか「活発」という言葉で表現することはありません。どこかで日本人は世界に対して、信という一文字を守ることができなくなっているというイメージを定着させてしまったのです。

 日本の株式市場から活性が失われ、外国人から見捨てられていると嘆く日本人が少なくありません。しかし、国民が自分たちが勤める会社の資本を集積する自国の株式市場に「信」を寄せないのに、外国人に頼るということは、あまりにも虫がよすぎる話ではありませんか。

 日本の未来に希望を持つには、信という一文字が、健全に行われている道理が不可欠です。

■渋沢健 著 『渋沢栄一 100の金言』(日本経済新聞出版社)から

(※連載の続きは画面下【関連記事】からご覧ください)

■筆者略歴:渋沢健 氏(しぶさわ・けん)
コモンズ投信会長。渋沢栄一の5代目子孫。1961年生まれ。87年UCLA大学でMBA取得。ファースト・ボストン、JPモルガン、米ヘッジファンド、ムーア・キャピタルを経て2001年に独立、シブサワ・アンド・カンパニーを設立。08年コモンズ投信を立ち上げ、会長に就任。著書に『運用のプロが教える草食系投資』『渋沢栄一 100の訓言』『渋沢栄一 愛と勇気と資本主義』など。

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最終更新:2018/12/18(火) 16:30
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