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ディズニーに大抜擢されたアニメーターが、宮崎駿に言われた“忘れられない一言”

2018/12/22(土) 7:00配信

文春オンライン

 まさに絵に描いたようなシンデレラストーリーだ。ディズニーの最新作『シュガー・ラッシュ:オンライン』。この大作の要を担うアート・ディレクターに日系人のアミ・トンプソンさんが大抜擢された。話があったのが4月1日だったので、本人も「エイプリル・フールのジョークだと思ってしまった」と笑う。

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 まだ20代の若きアニメーターは、だんじり祭で有名な岸和田生まれ。小学生まで大阪で暮し、カナダへ。

「小さい頃は大好きだったセーラームーンやディズニーのキャラクターの絵を毎日何枚も描いてましたね」

 アミさんの仕事は映画に登場する何百というキャラクターすべてに寄り添って、最後まで面倒を見ることだ。

「動きを一コマずつチェックしていき、修正したいところがあれば、私が絵を描いて直します。地道な作業です」

 いわば、キャラクターに命を吹き込むのがアミさんの使命なのである。

 今作は大ヒットした『シュガー・ラッシュ』の最新作。主人公は、人気レースゲーム“シュガー・ラッシュ”の天才レーサー、ヴァネロペと、ゲームの中では悪役キャラクターだが心優しいラルフ。ある日、ゲーム機のハンドルが壊れてしまい、“シュガー・ラッシュ”は廃棄処分の危機に。新しいハンドルを手に入れるため、2人はインターネットの世界に飛び込む。最初は夢の国に思えたインターネットの世界だったが……。

初めてアニメを学んだのはジブリだった

 製作の指揮をとるのは『ズートピア』の脚本・監督コンビ。今まで決して共演が叶わなかったディズニープリンセスが大集結したり、「楽天」の看板が出現したりと随所に攻めの姿勢が感じられる。中でも、ダークな世界に生きる凄腕レーサー、シャンクは従来のディズニーアニメでは見たことのないヒロイン像だ。

「シャンクのようなカッコいい女性を描くのは大好きです。最初は忍者みたいに刀を持たせてみたり、プロレスラーのようなスタイルにしたり(笑)。試行錯誤して今のデザインに辿り着きました。ヴァネロぺもラルフも自分の子どものようで、完成した作品を観たときは号泣しました」

 アニメ界のハーバードの異名を持つカナダのシェリダン大学卒のアミさんが初めてアニメーションを学んだのは、あのスタジオジブリ。高校生の時、自分の作品集を送ったことがきっかけだった。

「ジブリに初めて行った日、コーナーから突然、宮崎駿さんが現れて、ライトテーブルの使い方や紙の場所を教えてくれて、最後に『じゃあ楽しんでね』っておっしゃったんです。その言葉が今もずっと忘れられません。今回の映画も私はずっと楽しくて仕方がありませんでした。絵には自分の経験すべてが表れます。だから私は紙とペンを持って外に出て、たくさんのものを吸収したいと思っています」

Ami Thompson/大阪生まれ。カナダのシェリダン大学を卒業後、日本のStudio4℃へ。2015年、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオに入社。大学の卒業制作として作ったショートアニメに、「彼女は凄いアニメーターになる!」と世界中のネットユーザーから絶賛が寄せられていた。

INFORMATION

『シュガー・ラッシュ:オンライン』
12月21日(金)より全国公開
https://www.disney.co.jp/movie/sugarrush-ol.html

「週刊文春」編集部/週刊文春 2018年12月27日号

最終更新:2018/12/22(土) 7:00
文春オンライン

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