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いよいよ山場を迎えたBrexit。「合意なき離脱」ならば10~15%の下落は必至

2018/12/23(日) 8:33配信

HARBOR BUSINESS Online

 英国でのBrexit(英国のEU離脱)が山場を迎え、欧州通貨が大荒れだった’18年。その一方で、米ドル/円は、変動幅が過去10年間で最低を記録。難解なチャートを前に、思うようなトレードができなかった人も多かったはず。中国経済の影響を強く受けている豪ドル、今年大暴落したトルコリラや新興国通貨も、動向を予想していなければ太刀打ちすることは難しいだろう。

 そこで、各通貨の専門家&スゴ腕トレーダーが、’19年の戦略を一から解説。波乱の相場を乗り切る【FXの勝ち方】を、頭にたたき込もう。

◆英ポンドは「離脱合意」なら長期で上昇も「合意なき離脱」ならば10~15%の下落は必至

’19年頭に向けて最も荒れそうな英ポンド。EU離脱交渉の行方が最大の注目ポイントだ。ロンドン在住為替ディーラーの松崎美子氏が解説する。

「’19年1月21日が非常に重要。ここまでに離脱案に関して英国議会の承認を得てEUと正式合意しなければならない。もしもできなかったら、合意なき離脱の可能性が高まる」

 合意のアリナシが、その後の英ポンド相場を大きく左右する。

「当初、Brexitには3つのパターンがあるといわれていました。1つは、EUからは離脱するものの準加盟国的なポジションでEUの単一市場にはアクセスできるようにするソフトBrexit。2つ目は2年間の移行期間を設けて単一市場から離脱するハード。そして、まったく合意なく離脱するパターンです。ソフトなら人の移動は自由にできますが、ハードなら制限がかかるうえに、唯一陸続きで国境を接するアイルランドと英領北アイルランドとの国境問題が浮上する。『合意なき』は、’19年3月29日に完全離脱です。ところが、11月にEUと大筋合意に達したことで、ソフト寄りのBrexitか合意なしのいずれかに絞られてきました。ただ、“合意あり”はEUの影響力が強すぎるとして英国議会で反発を受けている」

《予想されるBrexitのパターン》

●ソフトBrexit

EUと大筋合意。アイルランド国境問題が解決されるまで欧州関税同盟には残るかたち。EU法に縛られるが、正式離脱後には単一市場から抜けるため、人の移動に制限がかけられる見通し。ただ、離脱の時期が明記されておらず、国内で反発が

●合意なきBrexit

離脱移行期間なしで’19年3月29日に離脱。英領北アイルランドとアイルランドとの間には検閲所が復活するなど国境問題が顕在化。移民制限は可能だが、物流がストップするなど経済的ダメージが大きい

●白紙撤回

限りなく可能性は低いが、再度、国民投票にかけてBrexit交渉そのものを白紙撤回するパターンもあると言われている

 仮に「合意なき離脱」で決着したら経済的ダメージは計り知れない。

「実は、合意なしの可能性を念頭に英国民と企業はすでに備蓄を進めています。特に品薄になっているのは薬。強硬離脱すれば、その日から関税が発生して税関が混乱するのは必至。イギリスの航空会社はEU域内の乗り入れができなくなるので、物流網は大混乱するのです。おそらく、’19年3月にかけて備蓄目的の駆け込み消費が発生するので、4―6月期からイギリスの景気は急激に冷え込んでいくことでしょう」

 では、’19年のポンド相場の予想は?「合意なしならば10~15%は急落するというのがコンセンサス。イギリス系の金融機関は英ポンド/米ドルで1.20までの急落もありえると予想しています。ただ、経済的ダメージの大きさを考えると最終的には合意に達すると予想している専門家が多い。そもそもポンドは明らかに売られすぎなんです。当然、合意に達したときのインパクトは大きい。アメリカに次いで利上げに転じた国であることを考えれば、金利上昇圧力もあって’18年4月の高値である1.43までは一気に回復する可能性が高い」

◆振れ幅の大きな英ポンドは中央線からの乖離を取れ!

 英ポンド売りよりも、買いのほうが大きな値幅が狙えるというのだ。ポンドを中心にしたトレードで注目を浴びているトレーダーも同調する。

「期限よりも早く合意に達したら、合意内容に対する批判が巻き起こって修正を余儀なくされるケースもある。ディールの鉄則を考えても、期限ギリギリで合意に達して英ポンド買いが進むシナリオが現実的と考えています」

 こう話すAki氏は今年だけで4億円も稼いでいるスゴ腕トレーダー。11月には英ポンド/円の売りで1億4000万円もの含み損を抱えて(18ページ参照)ツイッター民をザワつかせたが、最終的に5000万円の損切りを行った後、数日で損失を取り返した。そのトレードの肝は「ボラティリティ(変動率)を取ること」。

「米ドルと異なり、英ポンドはとにかくボラが大きい。米ドルは移動平均線に沿って上昇する傾向にありますが、英ポンドは移動平均線を上下に突き抜けながら徐々に安値・高値を切り上げる、ないしは切り下げていく」

 ボラを取るためにAki氏は、3本のラインを活用しているという。

「トレンドラインを引いたら、それと平行のチャネルラインを引いて、その真ん中に中央線を引くんです。週足、日足で長いトレンドをチェックして上目線なら、4時間ないし1時間足で中央線から大きく下に乖離してトレンドラインドにタッチしたところで買いを入れる。ただ、英ポンドは振れ幅が大きいので、ナンピンで買い下がるケースもあります」

 長期では機関投資家のポジション動向もチェックする。

「毎週月曜日に公表されるIMMポジションで英ポンド/米ドルの売りと買いポジションの比率を見ています。大きく売りに偏ると、英ポンド買いが進み始めたときに売り玉の決済を巻き込んで大きく上昇する可能性が高くなる。直近でも英ポンドは比較的売りに偏っているので、Brexit交渉が合意に達した場合の上方向への振れ幅は相当大きくなると考えています。英ポンド/円で165円(11月20日時点で144円)まで見えてくるでしょう」

 正式に離脱交渉が決着するまでは乱高下しそうだが、売られすぎの現状を鑑みるに長期的には上目線。ぜひトレードの参考に!

《予想されるBrexitのパターン》

●ソフトBrexit

EUと大筋合意。アイルランド国境問題が解決されるまで欧州関税同盟には残るかたち。EU法に縛られるが、正式離脱後には単一市場から抜けるため、人の移動に制限がかけられる見通し。ただ、離脱の時期が明記されておらず、国内で反発が

●合意なきBrexit

離脱移行期間なしで’19年3月29日に離脱。英領北アイルランドとアイルランドとの間には検閲所が復活するなど国境問題が顕在化。移民制限は可能だが、物流がストップするなど経済的ダメージが大きい

●白紙撤回

限りなく可能性は低いが、再度、国民投票にかけてBrexit交渉そのものを白紙撤回するパターンもあると言われている

《2019年英ポンド戦略》

1 「合意なし」なら15%の下げを覚悟

2 売られすぎのため合意時は爆騰!?

3 大きな振れ幅を狙って短期トレード

【松崎美子氏】

ロンドン在住為替ディーラー。スイス系銀行を経て、ロンドン・シティのバークレイズ銀行のディーラーとして活躍。現在は「FXの流儀」として有料サロンも運営

【Aki氏】

億越えFXトレーダー。’17年7月に公開用FX口座に1億円入金して1年で2.5倍に。’18年10月には1か月で1.6億円の利益を出し、今年の収支は+4億円! @aki_fx1

― 2019年[FXの勝ち方](驚)戦略 ―

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:2018/12/23(日) 9:45
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