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すべては打倒・青学大のため。東海大が刷新した本番までのアプローチ

2018/12/26(水) 13:20配信

webスポルティーバ

東海大・駅伝戦記 第38回

 東海大学陸上部は、両角速(もろずみ・はやし)監督と西出仁明(のりあき)コーチがタッグを組んでチームを運営している。西出コーチは、2014年に両角監督からコーチ打診を受け、福井県立美方高校から東海大に移った。現在は体育学部准教授として、主に高地トレーニングとフィジカルトレーニングの研究をしながら選手の指導に当たっている。

【写真】箱根駅伝・全チーム戦力分析

 二人三脚で箱根駅伝制覇を狙う東海大は、今シーズンこれまでとは異なる調整を続けている。前回の箱根駅伝では、距離に対して不安があったため、本番3~4週間前に追い込む練習をしていた。

そのポイント練習の際、状態を上げることを優先すべきと考える西出コーチと、ひとつひとつの練習が選考になると考える両角監督との間に意見の相違があった。「どっちにするのか……」という選手の声も漏れたが、結局、練習の疲れが抜けきらないまま本番に突入してしまった。その結果、総合成績は5位だったが、往路は9位に沈むなど、ふたりが思い描いた駅伝ができなかった。その反省から今回は多くのことにメスを入れた。その内容について、西出コーチに話を聞いた。

―― 今年、調整のやり方を変えるきっかけになったのは何だったのでしょうか。

「出雲駅伝の前、ウチとしては全日本駅伝に勝ちたかったので、かなり追い込んだ練習をしていたんです。ある意味『出雲を捨て試合にして……』という意識だったのですが、選手はレースに勝ちたいので『なんで、こんなにきつい練習をレース前にしないといけないのか』という声が出てきたんです。僕自身はコンディションが上がると読んでいたのですが、選手の不満が出たままだとチームは乗っていかない。それで全日本が終わったあと、箱根駅伝に勝つにはどうしたらいいのかということを選手とあらためて話しました」

―― 選手からはどういう要望があったのでしょうか。

「ジョグを任せてほしいとか、結構細かい要望が出ましたね。それからは、選手が『今日はこうしたい』という要望は基本的に受け入れる感じになりました」

―― チーム練習を押し通すのではなく、選手の自主性に任せると?

「そうです。勝つためには『チームが成熟する』『選手が自立していく』という方向に向かっていかないといけない。究極は、指導者と選手がフラットになって、お互いに考えていることを話し合える関係になれればいいかなと思っています」

―― 選手の要望を受け入れることで、チーム内にどんな変化が生じましたか。

「僕や両角監督に対して、話しにくい雰囲気がなくなって、率直に話ができる、風通しのいいチームになってきましたね。ただ、選手の話ばかり聞いてしまうと、僕らの軸がぶれてしまうので、必要なチーム練習はしっかりこなすように説明しています」

 自主性に任せた調整は、選手に概ね好評だ。基本的に駅伝はチームスポーツだが、戦うのは個人である。コンディションや練習量が個々に異なるのは当然であって、無理にチーム練習を押し込むと選手によっては大きな負担となることもある。そこで、ある程度選手の自主性を尊重し、本番に向けて各人が自分の体と相談してピーキングしていくというスタイルに変換したのだ。

―― 本番までのアプローチ、練習メニューも変更したと聞いています。

「まず記録会などのレースには出ず、箱根の練習をしていくことにしました。関東学連記録会や八王子ロングディスタンスなどの記録会に出ると、その前の1週間が調整期間になり、レース後も1週間ほどリカバリー期間が必要になります。結局、2週間いつのも練習から離れてしまうんです。それまでは疲労をとってから、箱根駅伝の距離を走っていたのですが、うまくいかなかった。練習内容も、昨年はスピード練習も混ぜてやっていたのですが、ここに来てスピードが消えることはないので、30キロ走とか長い距離をメインに走り込みました」

―― 昨年のこの時期はまだ追い込んでいましたが、今年はどうですか。

「ここからは疲労を抜いていくことが大事になります。タイムを求めてトレーニングすることはないですね。逆にタイムを出さないように『抑えろ』という話を選手にしています。『レースに出たい』とか『スピードを出したい』とか、そういう欲を箱根本番まで我慢して爆発させるイメージです。このやり方がハマるかどうかは箱根でしか検証できませんが、僕たちが考えていることと選手の反応がリンクしているので、順調にきていると思っています」

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最終更新:2018/12/26(水) 16:47
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