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何者にもなれなかった「40男」たちの絶望

2018/12/26(水) 5:40配信

東洋経済オンライン

芸人仲間について書いた『一発屋芸人列伝』で、見事大きな話題をさらったお笑い芸人であり作家でもある山田ルイ53世さん。そして日本における男性学研究の第一人者として活躍する、大正大学心理社会学部の田中俊之さん。
一見無関係に見える2人の共通点は「40男」であるということ――。
「40歳ともなれば“ひとかどの人物”になっていると思っていた」と口々にぼやく2人が、今思うこととは。40代男性の苦悩と、出口は。2人が徹底的に語り合った新刊『中年男ルネッサンス』より抜粋してご紹介します。

■「40男それなりのものを持ってないとダメ」問題

 田中:僕、40代になって、30代の人から「名刺入れは何を使ってるんですか?」とか、持ち物について聞かれるようになることが増えたんです。どうしてだろうと不思議に思っていたんですが、あるとき、市民講座で30代後半の男性参加者から、「田中先生もG-SHOCK派で安心しました」と言われてハタと気づきました。

 山田:どういうことですか? 

 田中:その発言には、「時計なんて、時間が正確で丈夫ならいいですよね?  40代になったからといって、ブランドにこだわらなくても平気ですよね?」というニュアンスが込められていたように感じます。つまり、30代までは自分の好きなものを使っていてもいいけど、40代になったら時計や財布はそれなりのものを持たなきゃいけない、という世間からのプレッシャーがあるのではないかと。それ以来、同世代の男性に会うと、腕をチラチラ見て時計を気にするようになってしまって(笑)。

 山田:もっとしっかり見え張ったほうがいいんじゃないか、と? 

 田中:30代の人から、「40代の人にはちゃんと見えを張っていてほしい」と言われているような気がして。僕自身は、時計なんて時間がわかればいいや、くらいの感覚でいるのに、他人から「なんだ、G-SHOCKか」と思われていたらどうしようっていう気持ちもあります。

 山田:それは、田中先生が最近ちょっとテレビに出たりして売れてきて、てんぐになってるからじゃないですか? (笑)

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