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ファーウェイ・ショック、日本にもいる中国の“技術流出計画”スパイ

2018/12/26(水) 5:58配信

デイリー新潮

 世界同時株安をもたらした「ファーウェイ・ショック」。そこから垣間見えたのは虎視眈々と他国の科学技術を狙う中国と、我が国のガードの甘さだった。

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 経済部記者によると、

「日本ではiPhoneがスマホ市場を席巻していますが、世界シェアに目を向ければ、ファーウェイはすでにアップルを抜き去り、韓国のサムスンに次ぐ第2位へと躍り出ている。その企業の“ナンバー2”が逮捕されたわけで、各国の株式市場が続落しているのも頷ける話」

 カナダのバンクーバーで逮捕されたのは、ファーウェイの孟晩舟副会長。対イラン制裁に違反した疑いが持たれる美貌の副会長は、創業社長の娘でもある。

「この逮捕劇の背景には、アメリカの中国に対する警戒感があります」(同)

 実は、アメリカでは以前から中国のサイバー企業による「スパイ活動」に警鐘を鳴らしてきた。2012年に作成された米下院の報告書では、中国のIT企業が中国共産党や人民解放軍と密接に繋がり、スパイ工作にもかかわっていると指摘している。この時、名指しされたのがファーウェイと、同じく通信機器大手のZTEの2社だ。

 アメリカに続く格好で、日本政府が政府調達から排除したのは、まさにこの2社の製品である。だが、輸入を制限すれば安全かと問われれば、答えは否である。

 すでに我が国の技術と補助金は、「千人計画」という国家プロジェクトに選抜されたエリート中国人に流れているのだ。

「援助は受けている」

 では、「千人計画」とは一体何か。北京在住のジャーナリストによれば、

「中国はいま、ハイテク産業育成政策として“中国製造2025”を推進しています。このなかに含まれているのが“千人計画”。人工知能や航空宇宙、知的財産などの分野でハイレベルなキャリアを持つ研究者を、国籍を問わずにリクルートするというものです」

 さて、日本で「千人計画」のメンバーとして名前が挙がるのは茨城県つくば市にある先端技術企業の代表・A氏である。西安電子科技大学を卒業した中国人のA氏は筑波大学で博士号を取得。日本の公的研究機関に勤務した後、つくば市に自らの会社を設立した。中国にある母校のHPには、彼のインタビューが掲載されている。そこでA氏は自社の研究が日本の内閣府や経産省のプロジェクトに採用され、十数億円の資金を得たと明かす。そんなA氏に付された肩書は、〈「千人計画」メンバー、リクルーター〉。

 A氏の妻を直撃すると、

「夫の会社が日本政府から援助を受けているのは事実です。ただ、夫は中国政府とは一切仕事をしていない。“千人計画”にかかわっているかどうかも、私や社員には分かりません」

 だが、世界各国で「千人計画」は“産業育成”の推進ではなく、他国からの“技術流出”を推進する計画と目されている。実際、アメリカでは「千人計画」の選抜者が、スパイや研究費詐取といった容疑で相次いで逮捕されている。日本だけが、A氏に研究資金を注ぎ込み、あまつさえ優秀な研究者が海外にリクルートされるのを指を咥えて眺める状況はやはりおかしい。

「週刊新潮」2018年12月20日号 掲載

新潮社

最終更新:2018/12/26(水) 5:58
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