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東海大の西田が「山の神」襲名に名乗り。「区間賞を獲りにいきます」

2018/12/28(金) 16:30配信

webスポルティーバ

東海大・駅伝戦記 第39回

 東海大で箱根駅伝のメンバー16名に2年生からエントリーされたのは、2名だけだ。西田壮志(たけし)と鈴木雄太である。

■すべては打倒・青学大のため。東海大が刷新した本番までのアプローチ

「鈴木も調子いいんで、ふたりで箱根を盛り上げますよ」

 西田はニコニコしながら、そう言う。どうやら調子は良さそうだ。

 山を制する者は箱根を制す──。使い古されたフレーズだが、ある意味、真実でもある。

 山登りの5区、山下りの6区に力のある選手がいる大学は、それだけで優位だ。かつて“山の神”がいた順天堂大(今井正人)、東洋大(柏原竜二)、青学大(神野大地)は、箱根を制している。

 だが東海大は、過去2年ほど5区が鬼門になっている。2017年は当時1年の館澤亨次(たてざわ・りょうじ)が走り、惨敗。今年1月の箱根は2年生の松尾淳之介が走ったが、前半飛ばしすぎたのが災いし、区間12位と失速した。

 そんな東海大に今シーズン、ようやく山登りの5区で青学大と互角に戦える選手が出てきた。それが西田だ。

 3月の学生ハーフでは63分36秒の自己ベストで3位に入り、関東インカレのハーフで4位。さらに全日本駅伝では4区で駅伝デビューを飾り、区間3位と結果を残した。ここまで大きなレースで崩れたことがなく、走る力も身についている。安定感は湯澤舜(しゅん/4年)や館澤とともにチーム内でもトップクラスだ。

「箱根は5区で区間賞を獲ることしか考えていないです」

 本番に向けて、西田は闘志を燃やす。

 大学1年の夏は、まだまだ力が足りていなかった。夏合宿で霧ヶ峰の山を走ったが、1分後に走った当時主将の春日千速(ちはや)に抜かされ、ゴールした時は路面に倒れこみ、体が震えてしばらく起き上がることができなかった。

「あれはヤバかったですね。あの山登りが、今までの練習で一番きつかった。今でも先輩にイジられますから。『お前、ころぼっくる(頂上にあるレストラン・ころぼっくるひゅって)の駐車場でクタクタになってたからなぁ』って。たしかに死んでいました。レースであんなふうには絶対になりたくないですね」

 西田は1年4カ月前を思い出し、そう苦笑した。

 2年になった今シーズンは、順調に結果を出し、走力もつけたが、さらにランナーとしての意識を大きく変える出来事があった。

 西田は夏休みの期間中、東海大の1次合宿を終えると、実業団の合宿に参加した。その時、同じ部屋だったのが服部勇馬(トヨタ自動車)だった。12月の福岡国際マラソンで優勝したランナーと一緒に数週間過ごすことで、いろんな刺激を受けたという。

「まず、競技に対する意識が全然違いますね。ケアにかける時間がほかの人より多いですし、風呂も自分の入浴剤を使って体の芯から温めていました。食事は、僕と違ってすごい量を食べていましたし、抗疲労のための食品も摂っていました。

 あと、勇馬さんは指定された練習をしつつ、監督と練習メニューを決めたり、すごくコミュニケーションを取っていたんです。それは大事なことなんだって、あらためて思いましたね。ご一緒させていただいて、競技に対する意識をはじめ、めちゃくちゃ刺激を受けました」

 トップアスリートの競技に対する意識の高さは、大学生にとって非常に新鮮であり、驚きでもあった。だが、そうした刺激は生活面だけではなかった。

「実業団の練習は量が多く、質が高いのですべてをこなせなかったですね。たとえば30キロ走は、大学ではキロ4分で入って上げても3分30秒ぐらいなんです。でも実業団は、3分30秒で入って、3分10秒に上げていくんです。シューズもマラソンシューズとかではなく、アップシューズでやっていて……もうレベルが違うなって思いましたし、もっと大学でやらないといけないなって思いました」

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最終更新:2018/12/28(金) 16:30
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