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箱根駅伝2区の主役候補。塩尻和也は日本人最速記録に自然体で挑む

2018/12/31(月) 8:20配信

webスポルティーバ

 2016年までの服部勇馬(東洋大・現トヨタ自動車)や、17年までの一色恭志(青学大・現GMOアスリーツ)など、華の2区を走る“学生長距離界の顔”と言われる選手が前回はいなかった箱根駅伝。今回その役割を果たす最有力候補が、順天堂大の塩尻和也だ。

【写真】福岡国際マラソンで優勝した東洋大卒業生の服部勇馬

 1年生のときからずっと塩尻は2区を走ってきた。1年では1区12位でタスキを受け、2年は15位から、3年は10位からと、なかなかいい順位でタスキをもらうことができていない。前に人がいたら突っ込んでしまう走りも災いして、前半はオーバーペース気味でなかなか結果を出すことができず、区間最高順位と記録は2年時の5位(1時間08分06秒)に留まっている。

 前回大会は、11月25日に行なわれた八王子ロングディスタンスの1万mで日本人学生歴代4位の27分47秒87を出したことで期待されたが、その疲労が残っていたのか区間10位(1時間09分26秒)という結果だった。

「1万mで記録を出してから箱根までは1カ月間あったので、疲労というのはなかったと思いますが、どうしてもそこで(11月に)1回コンディションを上げた分、箱根に合わせきれなかったのかなと思います」

 出身は陸上の強い群馬県だが、塩尻がいた伊勢崎清明高校は陸上部員が少なく、高校駅伝の県大会も2年生まではオープン参加の合同チームで走っていた。3年の時に、顧問が塩尻に「記録を残させたい」とほかの部活から何人か借りてチームを作って出場し、1区の区間記録を残した。

「普段の練習もひとりでやっていたし、県内のレースで自己ベストを出しに行くにはとにかく自分で最初から行くしかなかったので、その癖が今もちょっと続いているのだと思います」と前半から突っ込むスタイルの理由を説明する。

 順大に入ってからは3000m障害を中心にトラックに力を入れ、その競技で日本インカレ4連覇を果たしているほか、16年リオデジャネイロ五輪は参加標準記録には惜しくも届かなかったものの、国際陸連からのインビテーションで出場を果たした。

 さらに17年は「1万mの記録は前の年に出したから今年はいいと思って」と、日本選手権とアジア大会、日本インカレをターゲットに、3000m障害に臨み、日本選手権では8分29秒14の自己ベストで優勝。8月のアジア大会でも8分29秒42で銅メダルを獲得した。

「日本選手権はその前に順大記録会に出て2000mまで走ったのですが、その時の感覚だともう2~3秒は早く走れたと思うので、そこはちょっと残念でした。アジア大会は他の選手がなかなか前に出てくれず引っ張る展開になってしまったなかで、自己ベストに近いタイムを出したのは今後に向けての収穫でした。

 ただ、優勝した選手たちに前に出られた時に、しっかり食らいついていけなかったのが反省点。国際大会でメダルを獲るという結果を残せたのはよかったですが、全体としては80点くらいの結果だったと思います」

 そう振り返る塩尻は、9月の日本インカレまで3000m障害に取り組んでいたが、秋になると箱根モードに切り替わった。今年からハーフマラソンになった10月の箱根駅伝予選会で、日本人学生歴代6位の1時間01分22秒を出して日本人トップの全体2位になり、11月の全日本大学駅伝では4区で9人抜きの快走で区間賞を獲得と順調だ。
 
「予選会はインカレからの間が短かったし、2~3週間くらい前まで調子が上がってこなかったので不安でした。自分でも62分から62分半の間くらいで走ることができれば、と考えていたので結果にびっくりしました。去年はインカレが終わってから出雲、全日本とだんだん距離が増えていく形でしたが、今年はそういう流れじゃなくても記録が出たので、大学の4年間でしっかり距離への対応ができたということだと感じました」

 取材時には、箱根へ向けて今年は、1万mで記録を狙うことはせず、12月2日の熊本甲佐10マイル(16km)に出場する予定だと明かし、次のように話していた。

「1年と2年の時も箱根の想定ということで走っていたレースでしたし、実業団の選手も出てくるので前半の入りも比較的早いペースになるので、実際の箱根の想定という意味で走りたい」

 その甲佐でも日本人選手だけではなく、国際競技者カテゴリーのケニア人選手とも最初から競り合うレースをして、MGC出場権を獲得している藤本拓(トヨタ自動車)に9秒遅れの男子一般で2位ながら、国際競技者と合わせても5番目のゴール。実績を持つ実業団の選手たちを上回る46分06秒の好タイムを出して順調さをアピールした。

 そんな塩尻が臨む4回目で最後の箱根駅伝。

「最後の箱根だからやっぱり区間賞を取りたいというのはあります」

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最終更新:2018/12/31(月) 8:20
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