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経済好調も増えるホームレス、病魔に侵された米社会

2018/12/31(月) 6:00配信

JBpress

 年の瀬になって、米政府から暗い内容の報告書が公表された。米住宅都市開発省(HUD)がまとめた「2018年版ホームレス評価報告書」である。

 2年連続で米国内のホームレス人口が増えたという内容だ。いまさら米国のホームレス人口が増えたことに驚かれる方は少ないかもしれない。

 ただバラク・オバマ政権時代が終わるまで、ホームレス人口は減少傾向にあった。

■ 低失業率なのになぜか増えるホームレス

 改善の流れがあったにもかかわらず、ドナルド・トランプ政権になって再びホームレスが増え始めたのだ。

 実数にすると55万3000人。

 ホームレス人口は経済と密接にかかわっている。不景気になり、企業倒産が増えて失業者が町に溢れればホームレスも増えることになるが、今年の米経済は悪くない。

 12月に入って株価の急落はあったが、GDP(国内総生産)は年3%成長を達成できそうだし、失業率も現在3.7%と低率である。

 ほかの経済指標も良好で活況と言っても差し支えない。それなのにホームレスが増えているのはなぜなのか。

 同報告書によると、トランプ政権になっても米社会の格差は埋まらず、低所得者層の賃金が増えていないばかりか都市部での住宅価格が高騰し続けているからだという。

 さらに約4300万人が貧困ラインから下の経済環境で生活している。給料が1回から数回滞っただけでホームレスに転落する危険性がある人たちだ。

 いまでも米国の経済規模は世界一だが、本当に世界ナンバーワンなのかと思えるほど足元は脆弱なのだ。

■ 11万円が払えない米市民が約4割

 さらに驚くべきことは、医療費や自動車修理代などで1000ドル(約11万円)の出費が発生した時に支払えない米市民が39%もいるという。

 一般的に、米国人は日本人より貯蓄をしない国民であると言われているが、こうした数字に如実に表れている。

 ホームレスといっても、すべての人が失業者というわけではない。約25%は仕事をしている。

 収入はあるが、家賃を払い続けるだけの稼ぎがないことから路上やホームレス支援センター、自動車の中などで寝起きをせざるを得ないのだ。

 全米低所得者住宅連合の調査によると、「最低時給賃金の仕事だけでは大都市で2LDKのアパートを借りることはできない」という。

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最終更新:2018/12/31(月) 7:50
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