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M・ナイト・シャマラン、転落からの復活「自分はただ、そこに絵があると信じさえすればいい」

1/3(木) 11:45配信

Rolling Stone Japan

シャマラン監督の『ボヘミアン・ラプソディ』の感想は?

シャマラン監督は運転手つきのSUVに飛び乗り、そのまま赤レンガの家々が並ぶ一角へ向かった。タイトル未定のApple用の“サイコスリラー”番組の舞台となる場所だ。20人以上からなる撮影クルーの中には安全ベストを着用した姿もちらほら。全員が歩道に集合してボスの到着を待っていた。彼らの多くはシャマラン作品の常連。中には親子で参加している者もいる。この日は第1話のための撮影場所、不気味な乳母が新生児の生まれた夫婦の人生に現れる、うってつけな場所を探している。クルーの一人ひとりが、絵コンテ入りの撮影リストのコピーを手にしていた。

冒頭の一場面には、乳母が家の中に入るシーンがある。「彼女は雨の中をやってくる」。彼は、戸口をやってくる彼女の足のクローズアップの絵コンテを指さす。「まるで吸血鬼が初めて家の中に入ってくるみたいに、敷居をまたぐんだ」。このようなショットを組み立てることで、「ここがとても重要で、この家族はこの瞬間から後戻りできないんだ、ということを匂わせるのさ」と、監督自ら説明してくれた。

グレーのスカーフを肩にかけたシャマランは、一帯をぐるりと見て回り、窓越しのショットは上から撮るべきか下から撮るべきかを決めるべく、クルーが撮影現場用に借りた家の中へ入って行った。それから全員で数ブロック先のリッテンハウス・スクエア公園へ向かった。この後ここで、同じ回で登場する自動車事故後のリハーサルが行われる予定だ。「見物人はいる?」とシャマランが聞く。「どの辺にいてもらおうか?」

彼はリハーサル中ずっと動きを止め、観光客と言葉を交わし、ラブコメ好きな女性スタッフをからかった後、『ボヘミアン・ラプソディ』の感想を言ってきた。「すごく良かったよ」と監督。「本当に感動した。インド人の父親が息子を受け入れたときなんかもう……」といって、大げさに泣くしぐさをした。シャマラン自身、実のインド人の父の意思に反して、アイヴィー大学を蹴ってニューヨーク市立大学の映画学校に進学した経緯がある。

別れを告げる前に、私はサミュエル・L・ジャクソンと交わした会話のことに触れた。彼は、シャマランが18年前よりも「チームワークに慣れていた」と言っていた。昔なら、俳優に瞬きのタイミングさえも指示していたくらいだった、と。シャマランは目をぐるりと回して笑い声をあげた。「彼がそういう思い違いをしてくれて、うれしいよ」

Translated by Akiko Kato

BRIAN HIATT

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最終更新:1/3(木) 11:45
Rolling Stone Japan

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