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「これぞ箱根の駆け引き」。青学大vs東洋大、両監督の戦略を分析した

1/5(土) 14:00配信

webスポルティーバ

 総合力の高さで東海大が初優勝を決めた第95回箱根駅伝で、「これぞ箱根駅伝の駆け引き」という面白さを見せてくれたのが、往路の東洋大と青学大のレース戦略の組み立て方だった。

【写真】今年の箱根駅伝に出場した全大学

 青学大の原晋監督は、12月29日の区間エントリーで、3区に湯原慶吾(1年)、4区に岩見秀哉(2年)の3大駅伝未経験のふたりを入れて、前回2区区間賞の森田歩希(4年)と1区区間5位の鈴木塁人(3年)を補欠に回していた。

 一方、東洋大の酒井俊幸監督は、前回2区区間3位のエース相澤晃(3年)と3区区間賞の山本修二(4年)を補欠にして、2区と4区は当日変更を見据えていた。

「森田くんは故障気味と聞いていたので、往路なら3区だろうなと思っていました。原監督は3区に強い選手や調子のいい選手を置く傾向があるし、2区に梶谷瑠哉くん(4年)を置いたということで、3区に軌道修正できる選手が必要と思った。4区を代えてくるかなという予測もしたけど、青学大は全体のレベルが高いので、『誰を使っても(大丈夫)』という点が大きいと思いました。

 森田くんはひとつ抜けている存在だと思っていますが、彼を含めて誰が来ても今の相澤だったら突き放せるし、むしろ山(5区)にアドバンテージを持って入っていかないと(東洋大の)往路優勝はないと思って相澤を4区にしました。区間賞は当然で、そこで後続を目いっぱい引き離すことが彼に課した役割でした」(酒井監督)

 青学大の1区は今季急成長した橋詰大慧(4年)で、東洋大は同区区間賞獲得の西山和弥(2年)。実績は西山が上だが、5000mと1万mのベストを見ると橋詰が上で勝負はどちらに転ぶかわからず、大差にはならないと予想された。実際、西山が六郷橋あたりから先に仕掛けて区間賞を獲得したが、橋詰も粘って6秒差の3位でつないだ。

 2区は東洋大の山本が中大の堀尾謙介(4年)と競り合って先頭を行く形になり、青学大の梶谷はじりじり突き放される展開に。結局、山本はラストで国士舘大のライモイ・ヴィンセント(1年)に首位を明け渡す思わぬ展開になったが、10位に落ちた青学大との差は59秒に広がっていた。

 しかし、青学大は当日変更で3区に入れた森田が爆走。区間記録を12秒更新する1時間01分26秒を出し、東洋大の吉川洋次(2年/区間2位)を抜いて7秒差をつけるすさまじい走り。ここまでは両監督の作戦が正面からぶつかり、競り合いが続いた。

 決着をつけたのは、4区の相澤だった。スタートして1.8kmで青学大の岩見に追いつくと、2.7km過ぎから前に出て、一気に引き離した。岩見は秋から調子を上げて、11月の世田谷ハーフで1時間03分13秒の自己新を出し、1万mでは青学大今季5位の28分49秒13を出していた。原監督が4区終盤の上りにも対応できると踏んでの岩見の起用だったが、相澤が相手では荷が重かったのだろう。結局、岩見は区間15位。東洋大との差を3分30秒に広げられてしまった。

「私自身が4区の難しさ、大事さをもっと自分自身に圧をかけるべきだったと思います。岩見も普通にいけば当然走るだろうと思っていたが、やっぱり箱根には他とは違うプレッシャーがあるんだなと感じました。初駅伝の選手に負担をかけたのは私の責任」

 原監督は4区の岩見の起用をこう振り返った。ただ、4区終了時点ではまだ逆転の可能性はあると考えていただろう。青学大の5区は前回も5区を走った竹石尚人(3年)。前回は、脚に痙攣が起きた状態での区間5位だった。それだけに原監督は「今回はもっと走る」と自信を持っていた。

 ところが竹石の走りは重く、まったくペースが上がらない。駒大や国学院大、法大に抜かれるまさかの展開になり、前回より2分以上遅い1時間14分52秒で区間13位。東洋大だけではなく、東海大にも大きく差を広げられ、青学大の往路は東洋大と5分30秒差、東海大とは4分26秒差の6位という結果になった。

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