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55歳「孤独死」の危機から立ち直った彼の告白

1/6(日) 5:20配信

東洋経済オンライン

 誰にも看取られることなく、ひっそりと部屋で最期を迎える孤独死(孤立死)。死者数は年間3万人といわれる。単身者世帯(1人暮らし)の増加にも伴って、意外にも働き盛りの世代にも多く、社会問題となっている。

 そんな孤独死の8割以上を占めると言われる、セルフ・ネグレクト(自己放任)。セルフ・ネグレクトとは、ごみ屋敷や不摂生、医療の拒否などによって、自らを不健康な状態のまま放置する行為のことを指す。「緩やかな自殺」とも呼ばれる。

 失業や病気、配偶者との離婚、死別など、セルフ・ネグレクトに陥るきっかけは人によってさまざまだが決して高齢者の問題だけではなく、現役世代にも起こりうる。

 近年関心を集めている孤独死を防ぐには、いかにして、セルフ・ネグレクトを防ぐかにかかっているといっても過言ではない。

 今回は妻との死別によって、あやうくセルフ・ネグレクトに陥り、そこから奇跡的に脱した元孤独死予備軍の男性にフォーカスした。

■45歳で妻と死別後、セルフ・ネグレクトに陥る

 「妻を失ってから自分のことがどうでもよくなっていたんですよ。僕の場合は、アルコールではなくて、仕事に逃避したという感じですね。自分の体のことなんか全然考えず、過労死ギリギリまで働いて、これで死ぬかもしれないと思いました。ある意味、これもセルフ・ネグレクトだと言えるかもしれません」

 雪渕雄一さん(55)は、10年前に最愛の妻・直美さんと死別した後も、同じ神奈川県の分譲マンションに1人で暮らしている。妻との死別は、最もセルフ・ネグレクトに陥りやすい。さらに、雪渕さんには子どもがいないこともあって、それが余計に仕事への過度の依存となって表れた。

 月曜日の朝に出勤して、火曜日の終電で帰る。そして、再び水曜日の朝に出勤して、木曜日の終電で帰る。ずっと徹夜で仕事に没頭する。それは土日も続いた。まったく眠くならない。

 雪渕さんはある時、「自分はおかしいのではないか」と感じた。思った言葉が出てこないし、もう何カ月も眠れない夜が続いている。

 心臓がバクバクして動悸が止まらず、「これはマズい」「このままでは死ぬかもしれない」と直感的に感じた。

 しかし、明らかに身の危険が迫っていると感じる段階になるまで、自分が追い詰められているという実感はなかったという。自分で自分の健康を顧みなくなるのはセルフ・ネグレクトの特徴だが、自分でもそのおかしさに気づくことができない。自分で自分の姿が見えなくなる。それも、とてもセルフ・ネグレクトと似通っている。

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