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死刑囚が死刑を待ちきれず自殺

1/7(月) 14:54配信

ニューズウィーク日本版

<死刑囚の男は早く処刑してくれと訴えていた>

2度の死刑判決を受け、死刑執行も2度にわたって延期された男が、米ネバダ州の刑務所の独房で死亡しているのが見つかった。

自殺に失敗し顔を失った少女の願い――「何が起きてもそれは一時的なことだと信じて。物事は良くなっていくから」

その男、スコット・ドジィエ(48)は1月4日の夕方、ネバダ州にあるエリー州立刑務所で首を吊っているのが発見されたと、矯正局の報道官がAP通信に語った。

矯正局の声明によれば、発見時には周りに誰もいなかった。職員が心肺蘇生を試みたが手遅れだった。

駆け付けた救急隊によって午後4時35分に死亡が確認されたという。

ドジィエは昨年7月、薬物注射によって処刑される予定だったが刑は延期された。自社の薬品を死刑に使われては企業イメージに関わるとして、ネバダ州を提訴したからだ。

2017年11月にも、当時死刑に使用されていた薬物が死刑囚に耐えがたい苦痛を与えていることが明らかになり、「残酷で異常な刑罰」を禁じる合衆国憲法に違反するとして、ドジィエの死刑執行は延期になっていた。

本人は死刑執行を希望

ドジィエは昨年、ネバダ州ラスベガスの有力紙「ラスベガス・レビュー・ジャーナル」のインタビューで執行を延期した裁判所の判断に反論し、自分は死ぬ覚悟ができていたと言った。

「刑務所内の生活は死んでいるのも同然だ」と、ドジィエは言った。「生きているのではなく、死に後れているだけだ。誰かが俺を殺してくれたら」

死刑執行が延期された後、彼は自殺の恐れがあるとして独房で監視対象になった。

死刑廃止運動が盛り上がる中、すでに複数の製薬会社が死刑執行に必要な薬物の販売を取りやめた。薬物の調達が困難になり、いくつかの州は電気椅子など昔ながらの方法を復活させている。

ドジィエは2002年、エレミヤ・ミラー(当時22歳)を殺害した第一級殺人の罪で有罪判決を受けた。彼はミラーを銃殺後、遺体をバラバラに切断してスーツケースに詰めてラスベガス郊外に遺棄した。

その後の捜査で、2001年にアリゾナ州の砂漠で遺体となって発見されたジャセン・グリーン(当時26歳)を殺害した罪でも有罪になった。

(翻訳:河原里香)

トム・ポーター

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