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新しい地図は再び新しい時代を切り開く 稲垣&草なぎ&香取の歌う姿に感じたエネルギー

1/7(月) 7:01配信

リアルサウンド

 稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾の新たな一歩を歌った映画『クソ野郎と美しき世界』の楽曲たちが、1月1日の『7.2 新しい別の窓』(AbemaTV)では、2019年の幕開けを祝う歌となってプレイバックした。劇中に登場したダンスフロア“クソユニバース”を再現し、〈世界のどこかに/きっとNAKAMAがいるはず/ひとりじゃないぜ/笑ってみるさ〉と声高らかに歌う「新しい詩」は、年齢も、性別も、職業も、体や心の自由・不自由さをも飛び越えて人々が集い、踊る、ユートピアのような世界観だ。

 この曲が示すのは、喪失からの出発。平成という時代が終わろうとしている今、誰もが感じている空虚感にもマッチしている曲かもしれない。何かが終われば、何かが始まる。その原動力となるのは、つながる喜びにある。その後のライブでは新しい地図を広げた3人が、この1年を通じて紡いできた人と人とのつながりが、メドレーとなって繰り広げられた。

 新曲「#SINGING」の作詞・作曲を手がけた現役中学生トラックメイカーのSASUKEと3人が音と遊ぶようにダンスを披露。そして、稲垣のソロ曲「SUZUNARI」を生み出した川谷絵音がしっとりと情緒たっぷりにピアノを弾く。香取&草なぎは、ぼくのりりっくのぼうよみが手がけた「KISS is my life.」をのびのびと歌い上げる。そこに集うのは、今や“ななにーファミリー”とも言うべき、毎月のようにゲスト出演してくれるキャイ~ンやみちょぱ、そして個性豊かなオーディエンスと、その様子を見守る視聴者たち。すべての人に、新たな希望を! そんなエネルギーに溢れたライブだった。

 彼らが歌う姿には、多様性を尊重する柔軟さが漂う。その多様性の中には、今この瞬間ハッピーを感じられていない人もいるということも含まれる。正月だからといって、世の中の理不尽さや不公平が一気になくなるわけではない。どうしようもないことが起きたり、大切な何かを失って打ちひしがれたり、歓喜に湧く人々の声が煩わしく感じたり、そんな自分自身が面倒だと思ったり……そんな“クソ”な状態は変わらない。それでも、どこかにわかってくれる人はいる、いつかは光が差す日が来ると信じてみるところから始めよう、そんなメッセージが心をじんわりと温めてくれるのだ。

 「必ず、どなたかが亡くなって、息づいて、自分も去っていって、また誰かがやってくる」。古舘伊知郎とのホンネトークでも、こんな話題が展開された。「日本古来の“予祝”という引き寄せ」「自分を育て直すという感覚」「孤独とひとりぼっちの違い」「連なりの中で生かされていること」……古舘は、一つひとつの言葉の概念を解きながら、3人のホンネを紐解いていく。

 「言葉なくても30年くらい一緒にやってきたんです。だけど知らないこと、いっぱいで。わかってるつもりだったけど」(香取)、「ひとことでも話すと軌道修正できるって、そういうところありますよね」(草なぎ)、「感覚で通じ合ってるって思い込んでしまう。それをつくづく感じました」(稲垣)という彼らに、古舘は「過去の自分たちに感謝しながら、わかってるつもりでもわかってなかったって素直に見つめながら、前向きですごく良かったなって」と目を細める。

 「孤独を知ることが、相手に感謝できる」。古舘とのホンネトークは、そんなひとつの結論を導いたように見えた。以前、3人は「新しい地図は、グループとは違う」と明言していたのを思い出す。今、彼らはグループ=実家から独り立ちして、それぞれがひとり暮らしでありながら、シェアハウスに住んでいる感覚に近いのかもしれない。離れてみてはじめてホームのやさしさを実感したり、こんなに自由に動けるのかと羽を伸ばしたり……彼らも今あらためて、それぞれの孤独と感謝を噛み締めているのだろう。

 集合体に感謝しながら、一人ひとりが自立していくこと。ひとりを受け入れながら、〈きっとNAKAMAがいるはず/ひとりじゃないぜ〉と、つながる新たな幸せ。平成の時代を国民的スターとして照らしてきた彼らは、再び新しい時代を切り開く存在として私たちに生き様を見せてくれるのかもしれない。

佐藤結衣

最終更新:1/7(月) 7:01
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