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北方領土:歯舞・色丹「引き渡し」で起きる大問題

1/7(月) 6:10配信

JBpress

 我が国は、1955年以来、北方4島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するとの方針の下、ソ連・ロシアとの間の平和条約締結交渉を継続してきた。

 日本は長年、4島一括返還を求めてきたが、安倍晋三首相とウラジーミル・プーチン大統領は、2018年11月14日、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の首脳会議に出席したシンガポールで会談し、平和条約締結後に北方4島のうち歯舞群島と色丹島を日本に引き渡すことを明記した1956年の日ソ共同宣言を基礎に、日ロ平和条約交渉を加速させることで合意した。

 一部では2島先行返還への期待が高まっている。政府関係者は日本の4島返還の原則は変わらないと説明するが、2島先行返還を選択肢に交渉を進めるべきだとの議論もある。

 これまでの北方領土をめぐる交渉に関する国民の関心は、4島一括返還か、あるいは2島先行返還かであったが、今は北方領土をめぐる交渉においては、次の2つのことが注目されている。

 1つは「引き渡し」の意味、すなわち返還後の主権の問題、もう1つは「引き渡された」または「返還された」後の北方領土への米軍駐留の問題である。

 この2つの問題は、本平和条約締結交渉において最も重要かつ困難な議題である。つまりこれらの問題が解決されなければ本交渉は頓挫するかもしれない。

 これらの2つの問題はプーチン大統領の発言によって広く知られるようになった。

 それまで、多くの国民は、返還された領土は日本の主権下に置かれるものであり、かつ返還された領土への米軍駐留は、主権国家日本が独自に判断すべきことであるのと考えていた。

 しかし、そう簡単なことではなさそうである。

 以下、初めに「引き渡し」の意味について、次に北方領土への米軍駐留の問題(米軍の配置変更に関する事前協議を含む)について論じる。

■ 1.「引き渡し」の意味

 筆者に限らず、多くの読者は、北方領土をめぐる交渉は、ロシアに不法に占拠された我が国固有の領土の返還交渉であるので、当然、「引き渡し」でなく「返還」と明記されているものと思っていたであろう。

 しかし、日ソ共同宣言第9項には、確かに平和条約が締結された後に引き渡される、と明記されている。

 (1)日ソ共同宣言第9項

 第9項の条文は次の通りである(外務省資料)。

 「日本及びソヴィエト社会主義共和国連邦は、両国間に正常な外交関係が回復された後、平和条約の締結に関する交渉を継続することに同意する」

 「ソヴィエト社会主義共和国連邦は、日本国の要望にこたえかつ日本国の利益を考慮して、歯舞群島及び色丹島を日本国に引き渡すことに同意する」

 「ただし、これらの諸島は、日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の平和条約が締結された後に現実に引き渡されるものとする」

 (2)プーチン大統領の発言

 プーチン大統領は、2018年11月15日、シンガポールでの東アジアサミット後の記者会見で、日ソ共同宣言でソ連が引き渡すとした色丹、歯舞両島について、「(両島の引き渡し後の)主権のことは記されていない」と述べ、2島の引き渡し後の主権については、今後の交渉対象となるとの認識を示した。(産経新聞11月15日)

 (3)「引き渡し」をめぐる国会での議論

 共同宣言は、1956年10月19日にモスクワで署名され、同年12月5日に国会承認されている。

 この間の11月12日の衆議院・日ソ共同宣言等特別委員会で「引き渡し」をめぐる議論がなされている。

 長くなるが、当時のソ連の主張や国会・国会議員の当該領土に対する領有権に関する認識が分かるので、次に議事録 をそのまま紹介する。

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最終更新:1/7(月) 6:10
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