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レーダー照射問題、韓国政府の反論動画に海自OBは「2年前の共同訓練と同じ。断交で結構」

1/7(月) 6:03配信

デイリー新潮

やはり例の「ゴールポスト」? 

 韓国海軍による火器管制レーダー照射問題は泥沼の様相を呈している。改めて韓国政府の弁明や反論が、どれだけ二転三転したか確認しておこう。出典は保守系の韓国紙「朝鮮日報」の日本語版に限定した。

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 まずは初報の「韓国駆逐艦が日本の哨戒機にレーダー照射、日本の抗議に韓国軍困惑」(2018年12月22日)だ。この記事では、韓国国防部がレーダーの使用を認めたと、明確に記述されている。

《韓国国防部(省に相当)は「韓国軍は正常な作戦活動中にレーダーを運用したが、日本の海上哨戒機を追跡する目的で運用した事実はない」と述べた》

 これに日本政府は、「分単位で哨戒機にレーダーを照射された」とし、意図的だと指摘。韓国側は再反論を行う。

 それを報じた記事が「韓国の専門家『もし韓国軍が日本からレーダーを照射されたらより深刻な対応』」(12月24日)だ。

 ところが、この記事、韓国海軍の説明が分かりにくい。もちろん記者の責任ではなく、国防部の説明が無理筋で、説得力がゼロだからだ。

 リードでは「日本が問題提起した20日、韓国海軍はこの火器管制用レーダーを稼働させていた」と始めているが、これが曲者だ。

 22日の記事では「運用」とあるのを、この24日の記事では「稼働」に変えている。偶然でもなければ誤記でもない。韓国政府が徐々に主張を変化させているのだ。

《韓国軍関係者の話を総合すると、韓国軍は同日正午ごろ、北朝鮮の船舶が遭難したとの連絡を受け、火器管制用レーダー(MW08)の「対艦用モード」を稼働させた。一般航海用レーダーより精密な火器管制用レーダーを使って小さな北朝鮮船舶を捜索しようという考えだった》

 この主張に関しては、デイリー新潮も「韓国艦のレーダー照射問題 海自OBは韓国側の弁明を“荒唐無稽であり得ない”と分析」(12月23日)の記事で取り上げた。

 記事中で海自OBは「FCレーダー(註:火器管制レーダーのこと)は敵をピンポイントに狙うものです。広範囲の捜索に有用とは思えません。さらにFCレーダーを使用すること自体が、相当なリスクを負います」と疑問を呈している。

 韓国側の反論は注意が必要なことを確認した上で、24日の朝鮮日報の記事に戻ろう。

《20日午後3時には、哨戒機が接近してきたので「映像撮影用光学カメラ」を作動させたとしている。光学カメラには追尾レーダー(STIR)が付いているが、追尾レーダーのビームを使用せずに光学カメラのみを使用し、日本の哨戒機を観測したというのが韓国軍の説明だ。むしろ韓国軍は「日本の哨戒機は、既に我々が数時間前から火器管制用レーダーを作動させていることを知りながら接近してきて、脅すように駆逐艦上に飛行してきた」とも主張している》

 火器管制レーダーは「稼働」やら「作動」しており、それは日本側も知っていた。だが我々は哨戒機には向けていない――。

 レーダーを使っていたのかいなかったのか分かりにくいが、要するに「使っていない」と言いたいのだろう。

 さらに「脅すように駆逐艦上に飛行してきた」と新しい“論点”が追加された。どうしたって例の「ゴールポストを動かす(ムービング・ゴールポスト)」という言葉を思い出してしまう。元はサッカーなどの競技から派生した隠喩らしいが、最近は韓国政府側の慰安婦財団解散の対応などで、頻繁に聞かれるようになった。

 ところで、この記事の見出しに注目した方もおられるかもしれない。確かに朝鮮日報の指摘は興味深い。もし日本の海自が韓国海軍機に火器管制レーダーを照射していたら、韓国はどう反応しただろうか。記事末尾にある匿名コメントを紹介する。

《国策研究所関係者は「立場を変えて考えみると、もし韓国軍が日本に対してこのようなことをされたとしたら、より深刻な対応を取っていたことだろう」と語った》

 日本は世論も含めて結局は冷静だということを暗に認めている、と言っていいだろう。

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最終更新:1/7(月) 6:03
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