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東急、「池上線」テコ入れの裏に潜む危機感

1/8(火) 5:20配信

東洋経済オンライン

 ここ数年、東急電鉄が池上線(蒲田―五反田間、10.9km)の活性化に力を入れている。全線開通90周年を迎えた2017年は10月9日に「池上線フリー(無料)乗車デー」を実施し、2018年は11月23日、24日の2日間にわたり、地元商店街などと連携して沿線全15駅の周辺でイベントを行う「池上線全線祭り」を開催した。

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 駅施設も2016年12月に新しい木造駅舎がリニューアルオープンした戸越銀座駅に続き、旗の台駅でも同様のリニューアルが進められている。また、池上駅では駅改造工事とともに、駅ビル建設工事を進めている。

■池上線に投資を進める理由

 筆者は学生時代、旗の台駅付近のファストフード店でアルバイトしていたことや、池上駅周辺に20年ほど前に数年間住んでいたこともあり、池上線にはなじみが深い。

 当時、沿線住民の多くが口にしていたのが、「池上線は何でも最後。放置されているようだ」という不満だった。東横線などの幹線で使われたお古の車両が、まず目蒲線(当時)にやってきて、さらにその後、池上線に回されるというのが暗黙のルールになっていた。また、駅施設は数十年前の施設がほぼそのまま使われているものが多かった。今となってはそれがレトロ感を生み、「都心を走るローカル線」の雰囲気漂う池上線の魅力になっているものの、もう少し池上線にお金を使ってくれてもいいのではないかと思っていた。

 こうした点について、東急電鉄鉄道事業本部沿線企画課長の平江良成氏は「決して放置してきたわけではない」としながらも、「都市開発が得意な当社では、駅のリニューアルは駅周辺の再開発とセットで行うケースが多い。ほぼ駅の部分しか土地を所有していない池上線沿線が開発を進めづらいのは事実」と、池上線の駅整備が遅れがちな理由を打ち明ける。

 ところが、近年、東急は上述のように駅改良工事を進めるとともに、「生活名所」プロジェクトを立ち上げて池上線のブランディングにも力を入れ始めた。同プロジェクトは、沿線の神社仏閣や店舗、公園、鉄道施設など、”池上線らしさ”が感じられる場所を生活名所として選定して情報発信し、広く池上線の良さを知ってもらおうという取り組みだ。その一環として、2017年はフリー乗車デー、2018年は全線祭りを開催した。

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