ここから本文です

世界トップクラスの自動車税負担額に加え、『距離別自動車関連税』導入を検討する日本のナンセンス

1/8(火) 6:10配信

週プレNEWS

数年後の導入が検討されている自動車の走行距離課税。「走った分だけ課税」と言えば聞こえはいい。だが、ちょっと待て。そもそも日本の自動車関連税は高すぎるし、特に日々の移動で距離がかさむ地方ユーザーたちは負担が増えないか?

本当にこのやり方でいいのか。モータージャーナリストの小沢コージが迫った。

* * *

■ナンセンスすぎる9種の自動車関連税
あ、ありえん!! 11月末から急激にマスコミを賑わし始めた新時代の「距離別自動車関連税」導入検討に対する小沢の心からの叫びだ。報道によると、12月中旬にまとめられた2019年度の「税制改正大綱」で、自動車税の体系を20年度以降から抜本的に見直す方針を明記するという。だが、調べてみるとこれがかな~り怪しい。

最近では、あのトヨタの豊田章男社長までが直々に「高すぎる!」と唱えるニッポンの自動車税。そもそも、毎年の自動車税と車検ごとの重量税が、アメリカの約31倍、ドイツの約2.8倍(試算上)もかかっているのが問題なのだ。そこを、一見正論っぽい形にして惑わそうという手法からしてイヤらしい。

走行距離課税の詳細は未定だが、「距離別=走った分だけ課税する」という考えは一見時代に即しているようにも見える。実際、政府は来るEV時代に備え、今のエンジン排気量別の自動車税はナンセンスだと言いたいようだが、そんなのはハイブリッドが出始めた20年前、もっと言うとターボエンジンが出始めた30年前からそうだった。

すでにプリウスは1.8リットルの排気量以上にモーターを合わせた総合パワーを出しているし、VW(フォルクスワーゲン)ゴルフは1.4リットルの排気量以上にターボでパワーを出している。排気量換算はとっくに意味がないのだ。少なくとも10年前から、パワートレイン出力やCO2排出量に応じて課税しても全然おかしくなかったのである。

そして何より、自動車関連税自体がナンセンスの玉手箱だ。有名な話だが、日本の自動車関連税は9種類もある。購入時には取得税と消費税が発生し、保有段階では重量税、自動車税(あるいは軽自動車税)が発生する。加えて、燃料には揮発油税、地方揮発油税、軽油引取税、石油ガス税と消費税がかかる(この場合、消費税はひとつとして考える)。

なかでも、購入時に発生する取得税と消費税は、取得税に直に8%が上乗せされるという意味で完全に二重課税だ。もっとも、この取得税は19年10月の消費増税時に撤廃されるというが、89年に消費税が導入されてから実に30年も放置されていたことになる。すでに遅すぎるって!

もっと言うと、揮発油税、石油ガス税、取得税、重量税は、すべて1950年代から徐々に増えていった道路特定財源だ。高度経済成長期の魔術師、田中角栄元総理が生み出した打ち出の小槌(こづち)で、要は悪路ばかりだった当時の道を順次整備しましょうという名目で、自動車ユーザーから税金を奪っていったのである。それも本来の約2倍という強欲な暫定税率で。

しかし、税率は長らく変わらず、それどころか日本の道が良くなった09年には撤廃ではなく一般財源化。戦後長きにわたって、自動車ユーザーのみが、不当に高い一般税を払わせられ続けているのだ。

その根本には、明文化こそされてないが、間違いなく「取れるところから取る」という官僚の都合と、クルマはいつまでたっても"ぜいたく品"で「税金を取られてもしょうがないブルジョワな存在」という見方が隠れている。

だが、今や日本のクルマ普及率はすでに東京や神奈川などの大都市を除いて、1世帯に1台以上。どう考えても国民の足であり、特に地方では死活問題になりかねない。

同業ジャーナリストの藤島知子氏も「生活の足としてクルマが必要な地域に住む住民にとって、クルマは欠かせない存在。距離制の課税が上乗せされるとなれば、生活費への圧迫を意味する」と警鐘を鳴らす。

1/2ページ

最終更新:1/8(火) 6:10
週プレNEWS

記事提供社からのご案内(外部サイト)

週プレNEWS

集英社

No.3・4
1月4日(金)発売

特別定価500円(税込)

2019年を楽しむオトコの注目キーワード
50/江夏豊×原辰徳新監督対談/今年は副
業で節税せよ!【グラビア】今田美桜/脇田
穂乃香/中森千尋/北向珠夕 他

あなたにおすすめの記事