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2年目の東克樹選手への期待と不安/立浪和義コラム

1/10(木) 11:01配信

週刊ベースボールONLINE

軸はキレのある真っすぐ

 今回は年が明けて最初のコラムなので、初々しい若手選手を取り上げてみたいと思います。

 2018年、セ・リーグで巨人・菅野智之選手に次ぐ2.45の防御率をマークし、新人王にも輝いたDeNAのルーキー・東克樹選手です。

 立命大からドラフト1位で入団し、当初から即戦力と期待が高かった左腕ですが、チームの勝ち頭となる11勝(5敗)は、いい意味で首脳陣の予想を裏切った数字と言えるでしょう。特に、プロ初勝利の相手だった巨人に強く、5勝0敗、防御率1.33とカモにしていました。

 彼の最大の武器は150キロ前後のストレートです。身長170センチと上背はありませんが、球持ちがよく、体をバネのように使い、スピードだけでなく、キレを感じます。変化球もストレートを投げるときと同じく、まったく腕がゆるまないので、打者にとっては非常に厄介なピッチャーだと思います。

 優しい顔をしていますが、メンタルも強いのでしょう。このストレートで時には思い切って内角を突き、左打者にはスライダー、右打者にはチェンジアップを有効に使っていました。先発投手で奪三振率9.06も素晴らしいと思います。特に右打者へのチェンジアップは効果的でしたね。

心配は疲労の蓄積

 ただ、心配なのは2年目です。よく「2年目のジンクス」と言われ、1年目に結果を出したことで、相手が警戒し、研究するから結果が出にくい、と言われます。しかし、東選手に関しては、よほど大きなクセがばれたとかということがない限り、1年目のピッチングができたら、それなりに勝てると思います。

 ただ、DeNAの先輩投手がまさにそうですが、18年、左腕の今永昇太、石田健大、濱口遥大ら若手投手が先発として期待されながら、いずれも思うような結果を出せませんでした。統計を取ったわけではありませんが、いろいろな選手を思い浮かべても、特に球のキレで勝負する左腕は、なかなか2年連続で結果を出すことができず、逆にいえば、そこが一流と呼ばれる選手になるための1つの壁になっているような気がします。

 やはり、いくらいい変化球があっても、制球がよくても、最後は質のいい、キレのあるストレート次第と言っていいのではないでしょうか。そのためにも、体のコンディションが非常に重要になってくると思います。

 コンディションが悪化する理由としては、蓄積した疲労が挙げられます。特にプロ2年目となれば、アマ時代とまったく違う1年を過ごした後になります。実際、東選手も左ヒジに炎症で、オフの日米野球の侍ジャパン代表を辞退していました。長いシーズンで知らず知らずにためた疲労もそうですし、精神的にも常に緊張の中にいますので、自覚がなくても、心身ともにくたくたになっているはずです。

 私は野手だったので、投手とはまた違うと思いますが、2年目は右肩の故障に加え、1年目の疲れも抜けず、散々なシーズンになりました。

 そういう意味では、このオフの使い方が重要になっていきます(少しアドバイスのタイミングが遅くなってしまいましたが)。練習を継続しながらの調整がいい、という人もいますが、私は2年目の前だけでなく、一度、完全な休養期間を作って、心身ともリフレッシュするのも、長い野球人生を考えれば大切なことだと思います。

写真=BBM

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