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まるで生き物のようにうごめく超巨大積乱雲「スーパーセル」

1/11(金) 12:12配信

WIRED.jp

写真家のミッチ・ドブロウナーはこの10年ほど、夏になると数週間にわたって、米中西部で発生する凄まじい気象現象を追いかけている。同行するのは、経験豊富なストームチェイサー(嵐の追跡者)であるロジャー・ヒルだ。『ギネスブック』によると、ヒルは歴史を通して、最も数多くの竜巻(650回以上)を目撃した人物でもある。

【写真ギャラリー】「スーパーセル」の美しくも荘厳な姿をもっとみる

ドブロウナーとヒルが初めて一緒に嵐を追いかけたのは、2009年のある日のことだ。ふたりはその日の正午、サウスダコタ州ブラックヒルズで、高降水型スーパーセル(超巨大積乱雲)を発見。ヒルの運転する8人乗りヴァンで追いかけ始めた。追跡は、その日の深夜12時にネブラスカ州ヴァレンタインで断念するまで続いたという。

ヒルはそのスーパーセルについて、「まるで宇宙船のようでした」と語る。ヒルは、ツアー会社のシルヴァー・ライニング・ツアーズ(Silver Lining Tours)を運営し、毎年11回の嵐追跡ツアーを企画・実施している。「雹はグレープフルーツくらいの大きさで、稲妻が3~4秒おきに光るんです」

まるで肖像写真を撮るように臨む

ドブロウナーが撮影したこうした気象現象の記録は増える一方だが、なかでもメガストーム(巨大嵐)を白黒で捉えた写真は圧巻だ。メディアは竜巻ばかりを取り上げるが、ドブロウナーが関心を寄せるのはスーパーセル。竜巻を発生させることもある超巨大積乱雲だ。

「わたしは(スーパーセルを)生き物だと考えています」とドブロウナーは言う。「美しくゴージャスな嵐もあれば、風が吹き荒れて猛烈な嵐もあります。そして、長続きすればするほど、形状がさまざまに変化しますが、やがて成熟し、消滅していきます。だから撮影には、肖像写真を撮るような気持ちで臨んでいます。人間を相手にするようにね」

スリルを求めるストームチェイサーもいるが、ドブロウナーは違う。彼が写真に収めようとしているのは過激な荘厳さであって、危険さではない。

「嵐がときに破壊的であることはわかっていますが、わたしが撮影したいのはそのことではありません」と、ドブロウナーは語る。「嵐の破壊力を捉えた写真は、それを得意とする人たちに任せたい。わたしは嵐を、美しい事象だと考えています」

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最終更新:1/11(金) 12:12
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