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VWグループは、あのスタートアップのセンサーで自律走行車の開発を加速する

1/11(金) 19:10配信

WIRED.jp

フォルクスワーゲン(VW)グループは、2021年までに大都市圏に完全自律走行車を導入したい考えでいる。つまり同社は、限られた時間内に完全な自動運転を実現しなければならない。

トヨタが注目するルミナー、その「新しいセンサー」の正体

自動運転技術における最大の問題は、ロボットに周辺環境を細部まで正確に理解させることだ。例えばクルマの周囲にある小さな物体が子どもなのか、消火栓なのか、周辺の環境を正しく認識できれば、この技術に関するほかの問題も非常に容易になる。

VWグループはどのようにこの問題へアプローチするのか。2021年の実現を目指し、同グループ内で自動運転技術を開発するスタートアップが、その鍵を明らかにした。

提携先は、トヨタ注目の企業

VWグループのアウディの子会社であるAID(Autonomous Intelligent Driving)は、シリコンヴァレーを拠点とするルミナー(Luminar)との提携を12月に発表した。ルミナーは、クルマの周囲の3Dマップを構築するレーザーセンサー「LiDAR」のスタートアップだ。

AIDには数十ものLiDARメーカーからオファーがあったが、ルミナー製LiDARの性能がずば抜けていたという。同社のLiDARは約250m先まで測定でき、同時に解像度も非常に高かった。

「ルミナー製LiDARの測定距離には驚いています」と、AIDの最高技術責任者(CTO)であるアレクサンダー・ハーグは語る。測定距離が長ければ、前方の障害物を発見してからそこにたどり着くまで、十分な時間を稼ぐことができる。また解像度が高いと、コンピューターが個々の障害物(クルマ、歩行者、自転車など)を正確に認識しやすい。

アウディが先行採用?

AIDは2018年の夏から、ドイツ・ミュンヘンを中心にVW「e-Golf」の自律走行モデルを走らせている(十数台あるが、まもなく「Audi e-tron」に切り替わる予定だ)。このe-Golfのルーフには、前方を認識するルミナー製LiDARが2台搭載されている。LiDARはそれぞれ前方120度に向けて、1秒間に何百万回もレーザーを発射する。その反射時間を計測することで、周囲の3Dマップを構築するのだ。

また、ルミナー製のLiDARはレーザー光の波長に特徴があり、一般的な905nmではなく、1,550nmで光のパルスを発射する。この波長を使えば、人間の眼球にダメージを与えることなく、より強力なレーザーを飛ばすことができる。結果として非常に遠くまで測定できるのだ(このe-Golfはほかにも、センシングシステムとしてカメラ、レーダー、および他社製のLiDARを使用している。このLiDARは測定距離が短く、バンパーに搭載されている)。

アウディ車のドライヴァーは、AIDが完全自律走行車を発売するより前に、ルミナー製LiDARの恩恵を受けられるかもしれない。

アウディは、半自動運転システム「トラフィックジャムパイロット」(テスラ「オートパイロット」のアウディ版のようなものだ)の適用条件を、現時点では時速60kmに制限している。これより速いと、測定距離の短いLiDARでは前方の障害物(例えば停車中の消防車など)を検知できない恐れがあるからだ。

「スピードを上げるための次のステップとして、アウディはルミナー製LiDARのような技術が必要になるのです」と、AIDのハーグは語る。

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最終更新:1/11(金) 19:10
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