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「頭の片隅にもない」は本当か?「衆参同日選」の状況証拠は“あの新聞”に

1/11(金) 7:00配信

文春オンライン

「頭の片隅にもない」

 年頭会見で、今夏の参院選に合わせた衆院解散・総選挙を問われた際の安倍首相の言葉だ。いわゆる衆参同日選挙の可能性について。

【写真】12年前の安倍首相辞任会見

 首相が「ない」と言ってるのだから「ない」のである。

 しかしここで思い出したい。「あった」ものが「なかった」り、「なかった」ものが後から「あった」と言われることが多かった昨年のことを。

 そう考えると首相が「ない」と言ってるのだから「ある」可能性も高い。そんな気もしてきた。

 では、推理小説を読むつもりで年明けの新聞各紙を読んでみよう。ヒントがあるかもしれない。

安倍首相にとっては“12年前の雪辱”

 まず多いのは「亥年の選挙」についての解説だ。

 今年は春の統一地方選と夏の参院選が重なる12年に一度の「亥年」。

《自民、公明両党には不利な条件が重なる。多くの地方議員を抱える両党は、統一選で組織がフル回転。間を置かずに行われる亥年の参院選では「選挙疲れ」から苦戦を強いられてきた。》(毎日新聞1月5日)

《安倍首相にとっても第1次政権を担っていた12年前、統一選で野党民主党の躍進を許し、参院選で惨敗、その後の退陣に追い込まれた記憶は鮮明だ。先月18日の自民党役員会で「あれから政局が不安定になった」と12年前の亥年選挙を振り返り、選挙態勢に万全を期すよう求めた。》(朝日新聞1月5日)

 つまり今年の「亥年選挙」は安倍首相にとって12年前の雪辱であることがわかる。今年は勝ちたい。チャンスがあれば衆参同日選挙も?

 しかし同日選は「頭の片隅にもない」と言っているではないか。状況証拠はあるのか?

 ……あったのである。

読売がさらりと告げた「G20」6月開催の舞台裏

 読売新聞の1月4日の記事。「亥年参院選へ 外交に全力 日露次第『衆参同日』論も」

《安倍首相は外交を中心に成果を重ね、統一地方選と重なる12年ぶりの「亥年選挙」を乗り切る戦略を描く。》

 やはり読売を熟読するといいことがある。「12年ぶりの『亥年選挙』を乗り切る戦略を描く」と安倍首相の胸の内を教えてくれる。

 読売は首相が今年前半に最優先課題に据えるのは日露外交だ、と書く。

《1月21日にモスクワでプーチン大統領と首脳会談に臨み、日露平和条約交渉を進展させたい考えだ。6月に日本で初めて開かれる大阪での主要20か国・地域(G20)首脳会議に合わせて来日するプーチン氏との間で、北方領土の問題解決に向けた大筋合意を目指す。》

 そういえば今年はG20が日本で開催される。

 この記事の読みどころは次だ。声を出して読んでほしい。

《G20は、先進7か国(G7)の主要国首脳会議(サミット)の後に開かれるのが慣例だ。日本政府は今年のG7議長国のフランスと交渉し、8月に予定されるG7サミットより早い6月のG20開催にこぎ着けた。首相官邸筋は「全ては参院選を前に見せ場を作るためだ」と明かす。》

 え!?

 参院選の前に「見せ場を作るため」、G20の日程をフランスにお願いして変更してもらった!?

 首相が熟読しろという読売が書いているのだから間違いない。「首相官邸筋」の言葉が載っている。

 国際的なG20を、参院選対策のために日程変更してもらったのだ。「6月のG20開催にこぎ着けた」と普通に書いているが、かなりギョッとする事実ではないか。

《ロシアとの北方領土問題の行方次第では参院選に合わせた「衆参同日選」の可能性も取り沙汰されそうだ。》

 つまり、衆参同日選挙もプーチン次第ということになる。

 だからこそ首相は現時点では「頭の片隅にもない」のだろう。どうしても同日選の可能性について知りたい記者は安倍首相ではなくプーチンに聞くのが正しい。

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最終更新:1/11(金) 7:00
文春オンライン

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