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新事実発見…天王星の「横倒し自転」は巨大衝突が原因だった!

1/11(金) 9:00配信

現代ビジネス

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太陽系の第7惑星、天王星は、おかしな姿勢を取っている変わり者だ。太陽系の惑星で唯一、横倒しになって自転しているのだ。
どうして天王星はそんな姿勢になったのか、ついに科学者たちはその原因を突きとめた。地球の少なくとも2倍のサイズがある岩石に衝突されたというのである──。
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謎の傾き、その角度は90度

 英ダラム大学の天文学者ジェイコブ・ケグレイス氏は、太陽から7番目の惑星である天王星に巨大な岩石が衝突していたことが、詳細なコンピューターシミュレーションから明らかになったと語った。

 ケグレイス氏は自らの分析結果を、12月に開催された、地球・宇宙科学に関する大規模な学会で発表した。

 天王星は太陽系内でも独特な存在だ。この巨大な惑星は横向きに約90度傾いており、その5大衛星も同じように傾いている。NASAの主任科学者のジム・グリーン氏によれば、天王星では磁場も傾いていて、地球のように北極や南極に磁極があるわけではないという。

 また、太陽系の惑星では唯一、中心核からの内部熱の流出が起こっていない。さらに土星のように環があるが、かなり薄い。

 カーネギー研究所の惑星科学者スコット・シェパード氏(今回の研究には参加していない)は、「天王星はとても風変わりだ」と語る。

 ケグレイス氏の説明によれば、今回のコンピューターシミュレーションによって、天王星に岩石が衝突し、再び形成されるプロセス(衝突した岩石は一部または全部が天王星に取り込まれる)がわずか数時間で起こったことがわかったという。同氏は、激しい衝突とその直後の状況を示すアニメーション動画も作成している。

犯人は「惑星X」か?

 「天王星を横倒しにした巨大な天体は、いまでも太陽系内にひそんでいるかもしれません。遠すぎて観測できていない可能性もあるのです」とグリーン氏は推測する。

 本当にそうだったら、天王星の衛星軌道の一部を説明できるだけではない。太陽系内の冥王星よりはるか遠くを公転しているとされる「惑星X」の実在を立証することにもなるかもしれないのだ。

 もっと小さな(冥王星ほどの大きさの)たくさんの岩石が衝突して天王星を横倒しにした可能性もあるが、「ケグレイス氏の研究結果やシェパード氏は、未知の巨大な容疑者が1つだけ存在する、と指摘しています」とグリーン氏は語る。同氏は、一度の衝突が原因とする説は「正しい考えでしょう」としている。

 この衝突が起こったのは30億年から40億年前で、天王星の5大衛星が形成されるより前だった可能性が高い。

 当時は、最終的に集まって衛星となる物質が円盤状に広がっていた。そして衝突が起こると、天王星の奇妙な傾きが、重力による潮汐力のように作用して、5大衛星を天王星と同じ角度に傾けた──。これがケグレイス氏の説明だ。

 さらにこの衝突によって氷殻が形成されて、それが内部の熱を閉じ込めたという(天王星の表面温度はセ氏マイナス216度)。

 氷は、天王星とその隣の海王星の特徴となるものだ。NASAは10年あまり前、この2つの惑星を、太陽系内でやはり大きな惑星である土星や木星と同列に扱うのをやめて、「巨大氷惑星」として再分類した(この分類では、土星と木星は「巨大ガス惑星」と呼ばれる)。

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最終更新:1/11(金) 15:55
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