ここから本文です

「コンサルもMBAも、もはやエリートではない」現役MBA生のリアル

1/11(金) 9:00配信

現代ビジネス

 「あたらしい働き方」という言葉が流行しているように、20代・30代の世代で今、副業やスタートアップへの勤務が一般的になりつつある。それに伴い、従来は花形であった産業にも変化が生じている。

 たとえば、「戦略コンサルタント」という、かつて人気であった職業・産業が、今は斜陽産業になっている。

 著者の所属するコーネル大学ジョンソン経営大学院(MBA)は、米国トップスクールMBAの一つであるが、MBA学生の間でも戦略コンサルタントという職業は、今はMBA生のメインストリームの就職先ではなくなっている。

 当記事では、現役MBA生という視点から、戦略コンサルタントの不人気の要因やMBA生のキャリアのトレンドについて議論してみたい。

失われつつある「コンサル」の希少価値

 冒頭で述べた「戦略コンサルタント」の不人気は、そのスキルセットの希少価値が相対的に低下してきていることが理由の一つとして挙げられる。要するに、多くの事業会社やスタートアップ企業において、すでに「元コンサル人材」があふれているため、今から戦略コンサルタントになったとしても、その後のキャリアプランを考慮すると、昔ほどの希少価値がないということだ。

 10年近く前であれば、即戦力として事業会社やスタートアップ企業の要職ポジションへと転職できていた「元コンサル人材」が、今は同じスキルセットをもってして「元コンサルであること」だけを強みとして転職をしても、かつてと同様の評価は得られない。

 これは米国において、より顕著な傾向であるように思う。米国では今、スタートアップ・起業がMBA生の間においてメインストリームの就職先の一つになっている。MBA以前のキャリアとして、すでにコンサルティングファームや投資銀行でのキャリアを積んだ学生の間でも、MBA後にスタートアップに就職する人が増えている。彼らは、ネットワーク構築とテクノロジー分野の知識・技術を習得するためにMBAに来ている。

 そのほか、MBA→戦略コンサルタントというキャリアを経て、スタートアップに就職したり、自ら起業したという人ももちろん数多くいる。

 実際、著者がMBA在学中にお会いしたスタートアップ創業者の人たちには、MBA卒でコンサルタントや投資銀行でのキャリアのある人たちが多くいた。彼らのように、戦略コンサルタントが得意とする戦略立案・分析といったスキルをすでに持ち合わせている人材が事業会社にあふれている。戦略コンサルタントの希少価値が低下していることは、ごく自然な現象である。

 また、昨今のスタートアップ・事業会社においては、MBA卒の人材が「コンサルタントを雇わずに、自分でやる」という人も多い。これは単にコスト削減が目的なのではなく、「自分で業界分析や戦略立案を全て担当した方が、自らの理解も深まるから」といった理由からである。

 私がMBA在学中にお会いしたスタートアップ創業者の方々も、「外部コンサルタントは雇わずに自分でリサーチ業務を全てやっている」という方が多かった。こうした傾向は、戦略コンサルティングファームの業務領域が縮小している理由の一つである。

1/5ページ

最終更新:1/11(金) 9:00
現代ビジネス

記事提供社からのご案内(外部サイト)

「現代ビジネスプレミアム」

講談社『現代ビジネス』

月額1000円(税抜)

現代ビジネスプレミアムは「現代ビジネス」の有料会員サービスです。2万本以上の有料記事が読み放題!会員だけの特別記事も配信。豪華ゲストによるセミナーも開催中。

あなたにおすすめの記事