ここから本文です

発達障害24歳男性と「会話」が成立しないワケ

1/11(金) 12:00配信

東洋経済オンライン

 高校卒業後に進んだ専門学校時代、教師の紹介で、同級生十数人と一緒にアルバイトの面接を受けたとき、フミヒコさんだけが不採用となる出来事があった。就職活動をしても結果が出ない。もしかしてと、心療内科を受診したところ、自閉症スペクトラム障害と診断されたという。

 「個性だと思っていたものが、個性を通り越して病気だったんだと思っただけ」。特段、落ち込むことも、障害がわかってホッとすることもなかった、とフミヒコさん。

 父親からは「焦って仕事を探そうとするな」とだけ言われた。もっと早く気が付いてやれなかったことに、責任を感じている様子だったという。

 その後、別の専門学校で学んだ後、現在は、東京で一人暮らしをしながら、声優の養成学校に通っている。学費や家賃、携帯電話料金などは両親が負担している。

 派遣会社に登録しているが、職場では、障害がネックになることも少なくない。最近、派遣された倉庫作業では、フォークリフトの走行音などが耳障りで、仕事にならなかったという。特定の音やにおい、光に敏感、もしくは鈍感であることも、自閉症スペクトラム障害の特徴のひとつだ。

 また、「抽象的な指示がわからない。質問するタイミングがわからない」と言い、現場で途方に暮れることも。フミヒコさんは多くを語らないが、こうしたことがきっかけで、派遣元や派遣先社員との人間関係に、つまずくことがあったのかもしれない。

 フミヒコさんは「(両親に)自活できるところを見せたかった」という。ただ、現在、安定した収入はほとんどなく、生活費が足りなくなると、両親が振り込んでくれる状態だ。

 故郷に戻ったほうが、経済的な負担は少ないようにも見えるが、フミヒコさんは、しだいに実家に帰ることが苦痛になりつつある、と打ち明ける。理由は「変化」だという。話の続きをうながすと、「仲のよかったいとこが結婚した。小さい頃から自分のことを知ってる親戚なら問題ない。でも、その配偶者とか、子どもとか……。多分、うまく付き合えない」と話す。

3/4ページ

東洋経済オンラインの前後の記事

あなたにおすすめの記事