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親からの性的虐待…壮絶な過去を持つ内田春菊が、いま「母」として思うこと

1/11(金) 15:50配信

女子SPA!

―内田春菊さんインタビュー Vol.2―

 25年前に発表した衝撃作、実母の魔の手によって、育ての父から性的虐待を受けていた過去を明かした自伝的長編小説『ファザーファッカー』(文藝春秋)を、母親目線で綴りなおした『ダンシング・マザー』(同)の作者・内田春菊さんに、本作品や性的虐待について思うことを3回に渡ってお聞きするインタビュー。

 前回は、執筆の裏側や母親との関係性について伺いました。2回目の今回は、少女期の壮絶な体験がその後の人生にどう影響したのかについて聞いていきます。

◆妻のほかにオンナがいるのが“当たり前”だと思っていた

――前回、「母は私より『私のお金』が好きなんだ」と気づいて絶縁したとのことでしたが、母親の偏った愛情が何かに影響を与えたりしましたか?

内田春菊さん(以下、内田)「恋愛ですね。恋人とも、『私より私のお金が好きになっているとしか思えないことが起きて別れる』みたいなことを繰り返していました。私の受け取り方がいけないのかもしれないけど、別れ際に引き留められても、母や妹のことが浮かんで、『それってお金を引き留めているんじゃないの?』って思えてしまうんです。

 そんなことを繰り返しているうちに、恋愛自体を辞めようとの思いに至り、2、3年ほど前に恋愛を辞めました。そのとき出家も考えたのですが、宗教に興味がないので断念。それで『恋愛を辞めました』という言い方しかできないから、周りからは『またまたぁ』って言われちゃうんですけどね(笑)」

――『ファザーファッカー』や『ダンシング・マザー』で書かれていた時期の環境や体験なども、恋愛や結婚に影響しましたか?

内田「ものすごく影響していると思いますよ。妾(めかけ)の家で傍若無人に振る舞う男が育ての父親で、その男の言いなりになっている女が母親という家庭が私のデフォルトだから、夫婦仲がおかしいことも、妻のほかに女性がいることも普通だと思って大きくなってしまいましたからね。これはマズかったと思います。

 それに、母親との関係性もおかしかったから、誰かに『お母さんと揉めてる』とか相談されても、自分の物差しで考えると“仲のいい親子”がわからなくて、非常に酷いことを言っていたかもしれないです。今は夫婦や親子に対する感覚がだいぶ普通になってきたし、酷い話への耐性もあるおかげで、壮絶な話を聞いても引かないし、『あなたは悪くない』って言ってあげられるようになりましたけどね。そのせいか、いろいろな人からよく相談されて、作家としてのデータもどんどん貯まっています(笑)」

――今振り返って、当時の母親に対して思うことはありますか?

内田「もし仲良くできていたら、もっとダンスを教えてほしかったですね。1回だけ教えてもらったことがあるのですが、あるとき育ての父が母に対して『お前はダンスなんか踊りやがって』『ホステスなんかしやがって』というモードに変わり、『子どもたちにダンスなんて教えるなよ』って言って、それっきりになってしまったので。

 母はね、何でもできる人だったんです。だから、時代背景はあるにしろ、そんなに才能があるなら、自分で稼いで暮らしてほしかったと思います。でも、私も含め、みんなパートナーには洗脳されるのかもしれませんね。別れた後に『あんなこともこんなことも言われた』『好き勝手しやがってあの男』っていう思いが残るのは、付き合っているときに相手の悪いところは見ないようにしていたってことでしょうから。だからって、実際に自分の娘とヤらせるようなことは、あってほしくないですけどね」

◆自分が娘を持つ母になって、思うこと

――16歳のとき、母親公認で育ての父から性的虐待を受けていたとのことですが、現在女の子を含む4人の母親という立場になって、感じるところはありますか?

内田「自分の経験上、子どもに向ける目がおかしいとか、そういうことにはすごく敏感です。日本映画を見ていると、名作といわれるものでも、幼さの残る年代の女性とヤりたがっている父親の出てくる映画がすごく多いんですよ。“初脱ぎ”って言葉、イヤですねぇ。気持ちが悪いです。あとは、『女性には幼子か母親でいてほしい』と思っているのが透けて見える映画も多くて、参るなぁと思います。

 とはいえ、自分の子どもたちが映画を見ているときに、横から『私はそれ嫌い』とか言わないようには気を付けていたんです。でも、子どもたちには伝わっていたみたいで、『お母さんのセンスが伝わってきて、生きづらい』みたいな苦情を言われたことはあります」

――内田さんのセンスが伝わって生きづらいとは、どういうことでしょうか?

内田「娘2人は、男性の下心的なものに気づくのが早すぎて苦労したみたいです。例えば、中学校の修学旅行先で農業体験をしたとき、お世話になる家のおじさんが『安定するからひざの上に乗りな』って、女子学生を自分のひざに座らせてトラクター体験をさせたそうなんです。無邪気に乗る子もたくさんいたようですが、娘は躊躇(ちゅうちょ)したとのこと。

 結局、おじさんのひざには乗らずにトラクター体験はできたそうですが、『みんなにはいい思い出なのに、自分だけはおじさんに対するイヤな思いが残った』って、帰ってから泣いていました。夕食のときも、男子学生がお酌をしようとしたら、『そんなのは女の子がやるものだ』って女子学生に注がせていたそうなので、私は分かってやっていると感じたのですが、普通子どもたちでは気づけないですよね」

――自分の身を守るという意味では、早いに越したことはないとも思いますが……。

内田「私もそう思いますけど、本人は、そのときはツラいみたいですよ。それに類するようなことも多々あったし、私が言うと親バカになっちゃうけど、ふたりともとても魅力的な娘なので、勘違いした人が寄ってくることも多くて、まだまだ先は長いなぁと感じますね」

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 最終回となる次回は、「セクハラなど、女性が抱える性的問題」についてお話を聞いていきます。

<取材・文/千葉こころ>

【千葉こころ】

ビールと映画とMr.Childrenをこよなく愛し、何事も楽しむことをモットーに徒然滑走中。恋愛や不倫に関する取材ではいつしか真剣相談になっていることも多い、人生経験だけは豊富なアラフォーフリーライター。

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最終更新:1/11(金) 18:20
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