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オーバメヤンは、最高の相棒を得た。「悪童」から「求められる選手」へ

1/12(土) 20:14配信

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文 結城康平
編集 澤山大輔

悪童は、年を重ねていく中で「チーム」の存在を意識する

 ピエール・エメリク・オーバメヤン。このガボン代表ストライカーは、常にメディアに「悪童」として扱われてきた。

 ドルトムントに所属した5年間で、報道された問題行動は主に3つ。2016年11月に、クラブの許可を得ることなくミラノへ旅行し、CLメンバーから除外されたこと。12カ月後には、練習への遅刻を問題視された。アーセナル移籍が報道されていたタイミングでも、当時の指揮官ペーター・シュテーガーが「移籍を望んでおり、練習での短距離走を拒否した」と語り、物議を醸した。同時期にはチームミーティングへの欠席を報道されるなど、ドイツのメディアによって形成されたイメージは「悪童」だった。

 オーバメヤン本人も、移籍前の行動を自ら「クレイジーな少年のようだった」とコメントしている。しかし、彼を2年間指導したユルゲン・クロップは「オーバメヤンは、扱いづらい選手ではない。彼は賢く、とても素晴らしい青年だ。彼と一緒に仕事するのは、とても楽しかった」と絶賛している。ドルトムントのハンス・ヨアヒム・バツケCEOも「オーバメヤンは、真のプロフェッショナルだ。彼を攻撃するタブロイド紙の報道は、好きではない」とコメントしており、彼の人間性を高く評価していた関係者も少なくない。

 悪童だった少年は、年を重ねていく中で「チーム」の存在を意識するようになった。アーセナル加入後はドレッシングルームでも存在感を放っており、派手なゴールパフォーマンスを披露することも少なくなった。「兄弟のような存在」と語るヘンリク・ムヒタリャンとともに、新しい環境へと適応。フランス語、スペイン語、イタリア語、ドイツ語、英語の5カ国語を使いこなす彼は、多国籍のチームでもコミュニケーションに苦慮することはない。

 もともとは右ウイングを主戦場としていたオーバメヤンは、ユルゲン・クロップやトーマス・トゥヘルの指導でCFにコンバート。もともとはイタリア代表のチーロ・インモービレを中央に配置する案が存在し、右サイドでの起用が予想されていた。しかしインモービレがチームに馴染めなかったこともあり、オーバメヤンには中央でのプレーが求められることになる。

 特にトゥヘル指揮下で、オーバメヤンの動き出しは劇的に改善。オフ・ザ・ボールのスキルが劇的に向上し、ストライカーとして「パスを引き出せる」ようになっていく。もともと最大の武器とされていた爆発的なスピードは、ショートカウンター局面における火力に直結。相手のハイラインを一気に攻略する快速は、相手チームに恐れられることになった。

 ドイツのフットボールジャーナリスト、ラファエル・ ホーニシュタイン はドルトムント時代のオーバメヤンについて「DFと並んだ状態からのプレーを好み、スペースに飛び込む動きを得意とする万能ストライカー。唯一、相手を背負ってのプレーは苦手」と分析している。

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最終更新:1/12(土) 20:14
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