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深宇宙から謎の「反復」電波バースト、過去2例目

1/12(土) 8:15配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

発生場所や原因は不明、銀河間の組成を知る手がかりに

 深宇宙から発せられた13回の高速電波バーストが検出され、そのうちの1つには規則的な反復が見られることが、1月9日付け科学誌『ネイチャー』オンライン版に発表された。正確な発生源はまだわかっていないが、今回新たに検出された高速電波バースト群は、この謎の電波についての新たな手がかりとなる。

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 高速電波バーストは2007年に初めて発見された、宇宙で最も奇妙な現象の1つだ。個々のバーストの持続時間は数ミリ秒(1ミリ秒は1000分の1秒)で、いずれも銀河系のはるか彼方から来ているらしい。

 原因はまだ解明されていないが、これまでにわかっている周波数などの情報から、毎日1000回近くの高速電波バーストが発生していると考えられている。ただし、これまでに検出された高速電波バーストの数はまだ少ない。

 今回、カナダの「カナダ水素強度マッピング実験(Canadian Hydrogen Intensity Mapping Experiment:CHIME)」の研究チームが、新たに13回の高速電波バーストを検出したと報告した。そのうちの1回は非常に珍しい「反復するバースト」だった。これまでの観測で、反復するバーストはほかに1回しか確認されていない。

 今回の論文によると、「リピーター」と呼ばれる反復する高速電波バーストと、それ以外の12回の通常の高速電波バーストは、地球から15億光年離れた領域から来ていた。13回のバーストのすべてが、これまでに検出された高速電波バーストの中で周波数が最も低かったが、同時に、これまでに観測されたものに比べて明るかった。これは発生源の環境と関係があるのではないかと、研究チームは考えている。

 カナダ、マギル大学物理学科の博士研究員、シュリハーシュ・テンダルカール氏は、「周波数が低い高速電波バーストほど遠くから来たということにはなりません」と説明する。「光は銀河間媒質や星間媒質中の高温のガスやプラズマの中を伝わってくるため、シグナルはさまざまな影響を受けているのです」

 例えば、電波は宇宙空間を伝わってくる間にねじれたり、散乱・吸収されたりする。したがって、研究チームは、13回の高速電波バーストはすべて、銀河の中の荒れ狂った高密度領域から来たのではないかと考えている。高密度の超新星残骸やブラックホールの近くなど、非常に激しい活動が起きている領域だ。

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