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空飛ぶタクシーが本当に現実に?

1/12(土) 12:10配信

WIRED.jp

ほかの空飛ぶクルマから頭ひとつ抜けている

参考までに、複数のローターを動力とする航空機は、各ローターの回転速度を変えることで操作するようになっている。CESのブースにはこのシミュレーターの実物模型が展示されていた。今後は「SXSW」(サウス・バイ・サウス ウエスト)などのイヴェントでも同様の展示を予定しているという。

ベルは一方で、安全性の確保は最重要課題だと強調する。どれだけ強固な安全対策を施しても不安を訴えてくる大衆をなだめるには、こうした姿勢を頻繁に示しておくべきなのだろう。Nexusはローターのひとつが動かなくなったり、タービンエンジンに何らかの問題が生じた場合でも、緊急用の小型バッテリーを使って着陸するか、すぐ着陸できない場合はしばらく飛行を続けることが可能だ。

ヘリコプターには、エンジンが停止した際にメインローターを空気の動きによって回転させて空中にとどまる仕組み(オートローテーションと呼ばれる)があるが、Nexusはローターの大きさが十分ではないためオートローテーションはできない。ほかのメーカーのような避難用パラシュートなども装備していないが、ベルは緊急時にはハイブリッドのパワーシステムで完全に対応できると断言する。

また、バッテリーパックも火災などの事故の際に損傷を防ぐデザインになっている。ベルのエンジニアのボブ・ヘイロニムスは、「仮にバッテリーパックの一部とエンジンの両方が破損しても飛行を続けることができます」と話す。

ただ、やはり最も大きいのは、ベルがこれまでに積み上げてきた経験だろう。製造実績という意味では、競合はどうあがいてもベルとは張り合えない。Nexusを含め多くのローター機はボディに量産の難しい炭素繊維材を使用するが、未来のタクシーを実現するには、数百台ではなく数千台単位での生産が必要となる。このレヴェルを達成できるスタートアップは少ない。

さらに、ベルは開発段階から量産を念頭にプロジェクトを進めてきた。この点からだけでも、Nexusがほかの空飛ぶクルマから頭ひとつ抜き出ていることが納得できるのではないだろうか。

ERIC ADAMS

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最終更新:1/12(土) 12:10
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