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青森山田MFバイロン、“地元”で見せた右足の成長 「縦に行こうという発想には…」

1/12(土) 16:25配信

Football ZONE web

「左足だけじゃプロになれない」という黒田監督の助言と、元同僚の活躍に奮起

 青森山田(青森)の攻撃陣のなかで、異彩を放つアタッカーが“地元”で輝きを見せた。第97回全国高校サッカー選手権は12日に埼玉スタジアム2002で準決勝を行い、第1試合は青森山田が3-3からもつれ込んだPK戦の末に尚志(福島)に勝利。その右サイドで躍動したのがMFバスケス・バイロンだった。

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 小学校3年生の時にチリから家族で日本にやってきたバスケスは、埼玉で4年生から本格的にサッカーを始めた。「その頃は166センチとかあって、スピードでゴリゴリ行くFWだったんですけど、中学に入って身長もあまり伸びなかった(175センチ)ので、何で生きていくかとなったらドリブルだ、と」という思いを強めた。中学時代には東松山ペレーニアで、今大会にも出場し前回大会で決勝ゴールを決めた前橋育英のFW榎本樹ともチームメートだった。

 名門・青森山田に進学すると、1年時から試合のメンバーにも入った。しかし、黒田剛監督からは「左足だけじゃプロになれないぞ」という声が続いた。それでも「あんまりやらなかった」というバスケスは優勝を果たした2大会前の選手権の決勝はスタンド観戦。前回の決勝は帰省してスタンド観戦している目の前で元チームメートが全国制覇を果たす。「感動したけど、負けられないと思った。新チームになって本気でやるようになった」と、目の色を変えた。

後半10分すぎ、「縦に行って右足でシュートを打ってやろう」という仕掛けでPKを獲得

 それがピッチに表れたのがこの準決勝の後半10分過ぎだった。右サイドのペナルティーエリア近くでボールを得たバスケスは、迷うことなく縦へ突進。利き足の左になる中央方向へのフェイントをかけると、「縦に行って右足でシュートを打ってやろう」と仕掛け、そこで倒されてPKになった。もし、彼が右足で迷うことなくプレーするような練習をしていなかったら――。「確かに縦に行こうという発想にはならなかったと思いますね」と、頷いた。

 チームは相手FW染野唯月のハットトリックもあり、一度は2-3とリードを許す窮地に追い込まれた。バスケスは「本当に怖かったけど、チャンスが来ると信じていた」と話し、チームは同点に追いついた末のPK戦を突破した。

 プレーの幅を広げるトレーニングに本気で取り組んだことは、本人が「地元なので」と話す埼玉スタジアムのピッチで輝いた。卒業後は東北社会人サッカーリーグのいわきFCへの加入が決まり、「自分のところにボールが来れば自信がある」と話すテクニシャンは、再び決勝のピッチで青森山田の速いサッカーの中でアクセントをつけるはずだ。

轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada

最終更新:1/12(土) 16:25
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