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旧国鉄と民間が激戦、欧州の「鉄道戦国時代」

1/12(土) 5:10配信

東洋経済オンライン

 ヨーロッパの民間鉄道運行会社が今、非常に元気だ。

 世界的な潮流として、鉄道会社は民営化、あるいは政府が株を保有する株式会社化が加速している。ヨーロッパにおいてもほとんどの国の鉄道運営は政府の手を離れており、それと同時に進められたのが上下分離方式とオープンアクセス制度の導入だ。

【写真】ドイツ国内の高速新線を走行するフリックストレインの列車

 上下分離によって列車の運行とインフラの保有は別会社化され、列車運行会社はインフラ会社へ線路使用料を支払わなければならなくなった。そこからさらに一歩進んで、線路使用料さえ支払えば誰でも運行事業に参入することを可能としたのがオープンアクセスだ。

 ヨーロッパで「旧国鉄」系ではない完全な民間企業が旅客列車の運行事業に参入しているのは、イタリア、ドイツ、オーストリア、チェコ、スウェーデン、イギリスで、2020年にはフランスもここに加わる予定だ。これらの国々で運行されている民間鉄道会社の業績はいずれも好調で、今後もゆっくりとではあるが成長していくと予想されている。

■各国で民間業者が快進撃

イタリアの高速列車「イタロ」を運行するNTV社によれば、2017年は延べ1280万人が同社の列車を利用し、前年比で15.6%の高い伸びを示した。また、チェコの民間オペレーターであるレギオジェット(2018年11月9日付記事「チェコで台頭『新規参入組』鉄道会社の光と影」参照)は2018年の上期に、前年同期比で26%、60万人増という数字を叩き出している。同国の別の民間オペレーターであるレオ・エクスプレスも、2018年の売り上げは対前年比で約2倍に達し、ポーランドへの乗り入れも開始した。

同社は、運行開始後わずか半年で営業を取りやめ2017年8月に破産したドイツの民間オペレーター、ロコモア社(2017年5月18日付記事「新参のドイツ鉄道会社が半年で破綻したワケ」参照)の資産を引き継ぎ、都市間高速バスを運行するドイツのフリックスバス社と共同で、ベルリン―シュトゥットガルト間の列車運行を再開した。

 この列車は「フリックストレイン」というブランド名で、フリックスバス社の路線バス予約サイトにリンクを置く形でチケット販売を始めると、たちまち乗客が増加。現在は1往復を増便したほか、廃止寸前と言われていたハンブルク―ケルン間のほかの民間オペレーターの路線も引き取って運行している。

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