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“フットサル最強校”から選手権8強。雪国・帝京長岡の強化策が面白い。

1/13(日) 11:01配信

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 第97回全国高校サッカー選手権も残すは決勝の1試合となった。全48代表のチームを取材できるわけではないが、足を運んだ試合後に選手や監督に話を聞くと、新鮮な話に当たることが多い。

【写真】フットサル日本代表にもなった、カズの若き日。

 部員数、地理的なハンデ、部員同士の関係性……それは千差万別だが、今大会で「そんなことがあるんだ」と驚いたのが新潟県代表の帝京長岡だった。

 今大会1回戦で高知西に6-0と大勝すると、2回戦では前後半80分間を2-2で終え、史上最長となるPK戦の末に旭川実業(北海道)を下す。3回戦も長崎総科大附相手に2-1で勝利。3試合とも複数ゴールを奪うなど、攻撃陣の充実ぶりが目立っていた。

 そして迎えた準々決勝・尚志(福島)戦、初のベスト4を懸けて臨んだが0-1で敗戦した。ビルドアップミスが失点に直結したものの、後方から丁寧にビルドアップし、コンビネーションと個人技のバランスが取れたアタックは見ていて小気味よかった。実際、後半は尚志を自陣にくぎづけにし、攻め続ける時間帯もあった。

「ウチのスタイルでやる以上」

 試合後、古沢徹監督が失点について振り返った言葉も面白かった。

 「しょうがないって言い方をしたら良くないのかもしれないですけど、ウチのスタイルでやる以上、ああいったビルドアップミスは起こり得ます。1回戦から大なり小なりミスはあったので。そこはもっとミスをしない準備をしなければいけない、ということだと考えています」

 自分たちのスタイルについて、結果でブレることはない。そんな強い意志を感じさせたのだ。

 かつての成績を見ると、新潟県は“サッカーどころ”とは言い難かった。1回戦か2回戦敗退が続き、3回戦まで勝ち上がれれば……という立ち位置だったが、ここ7年で3回のベスト8進出を果たしている。

 そのうち今大会を含めて2度、3回戦の壁を突破したのが帝京長岡だ。

豪雪地帯だからこその練習。

 帝京長岡の名を知られるようになったのは2012年度大会のこと。小塚和季(現ヴァンフォーレ甲府)らを擁し、足元のテクニックで勝負するスタイルは観る者を驚かせた。

 それはテレビで観戦した県内のサッカー少年に勇気を与えるものだった。DF長渡彗汰(けいた)は当時についてこう話していた。

 「小塚さん達の代がベスト8に入ったことで、やればできると思っていたし。勇気をもらいましたね。ああいうプレーをしていれば会場も沸くし『自分たちもいつか、ああなろう』と思えるありがたい存在でした」

 彼らの土台にあるのはフットサルだ。

 長岡市は積雪量が50cmを超えることも珍しくない豪雪地帯。それだけに冬季の練習はグラウンド整備すら難しいという。それを解決するために活用されているのが、体育館でできるフットサルである。

 フットサルはサッカーよりも狭いスペースでプレーし、ボールを扱う回数も自然と多くなる。そこで足裏でのボールタッチなどドリブルが磨かれるメリットがある。

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最終更新:1/13(日) 11:01
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