ここから本文です

帝京大から中部大春日丘高へ。ラグビー強豪校に広がる“脱・体育会”の流れ

1/14(月) 18:00配信

BEST TIMES

■3年生が雑用。帝京大に受けた影響

  高校ラグビー界に脱・体育会の取り組みを続ける強豪校がある。2018年度の全国高校ラグビー大会「花園」に、6年連続8回目の出場を果たした愛知・中部大春日丘だ。

この記事の写真はこちら

  春日丘にマネージャーはいない。ピッチ内外の仕事をピッチに立つ1チームの人数である「15」に分け、そこに全学年を縦割りで配置。選手が仕事を分担してクラブを運営している。

 ただし中心的に活動するのは3年生。1年生は見て学ぶ。プレーの話ではない、チームの雑務だ。

 2018年度で27年目を迎えた宮地真監督が、約10年前、上級生が雑用を担当する帝京大・岩出雅之監督の指導と出会い、帝京大同様の取り組みを採用した。

 愛知県出身の宮地監督は、以前は岐阜県内の女子高でソフトボール部の顧問。当時から下級生に優しいクラブ運営を目指していたという。

「女子校でソフトボール部の顧問をしていた時から、上級生にトンボをかけさせたりしました。僕自身が下の子に何かをさせることが嫌で。ずっとそういう感覚でいたものですから、そこがマッチングしました」

 上級生が下級生を支える帝京大・岩出監督の指導法・哲学に共感。直接岩出監督と会って話を聞くなどした。いまでは、3年生が下級生を支えるスタイルが、春日丘の文化になっているという。

 この取り組みを始めてから、春日丘は「花園に来れるようになりました」(宮地監督)。

■キーポジションに3人の1年生。悔しい敗戦。それでも…

 2010年度に花園初出場。以後、2018年度までに花園出場を逃したのは2012年度のみ。愛知で王者に君臨する姿は、2017年度まで大学選手権を9連覇した帝京大と重なる。

 2018年度の花園で、Bシードの春日丘は2回戦で札幌山の手(南北海道)を48-17で下し、3回戦に進出した。

 しかし1月1日の3回戦で、天理(奈良)の好守に阻まれ10-21で敗戦。

 この試合で春日丘はNO8(ナンバーエイト)、SO(スタンドオフ)、FB(フルバック)というキーポジションに3人の1年生を先発させた。

  花園第1グラウンドの緊張感、天理の激しいディフェンス……。さまざまなプレッシャーの中で、1年生は本来の実力を発揮できなかった。

 春日丘のキャプテンを務めたSH(スクラムハーフ)の岡本泰斉は「8、10、15が若い1年生でしたが、3年生がカバーできず申し訳なかったです。第1グラウンドのプレッシャーを伝えてきたつもりだったのですが……。力不足です」と殊勝に振り返った。

 1年生が活躍できなかったのは、サポートできなかった3年生の力不足が原因――上級生が下級生をサポートする、春日丘ならではのコメントだった。試合には敗れた。しかし中部大春日丘の誇るべきチーム文化は、敗れても威厳を放っていた。

文/多羅 正崇

最終更新:1/15(火) 18:09
BEST TIMES

記事提供社からのご案内(外部サイト)

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事